導入事例:大成ファインケミカル株式会社

Excelを利用した化学物質管理には必ず限界がくる
顧客の要望に細かく応じていかなくてはならない
中小企業ほどシステムを導入すべき


大成ファインケミカル株式会社

大成ファインケミカル株式会社
樹脂事業部 品質保証グループ
グループ長
宇田 高康 氏

大成ファインケミカル株式会社
樹脂事業部 品質保証グループ
井上 晃平 氏

大成ファインケミカル株式会社
樹脂事業部 生産技術グループ
グループ長
長谷川 敦史 氏

顧客のグローバル化や環境規制の厳格化に伴い、化学物質の品質管理業務が急速に複雑化している。大成ファインケミカルでは、これまで主にExcel管理で対応してきたが、近年問い合わせの増加と内容の複雑さが増し業務の圧迫が深刻化。そこで品質保証体制を再編するとともに、化学物質管理システム「AoFit-CHEMS」を導入した。規制情報検索の効率化や含有量計算の自動化、部門横断の情報共有が進展し、業務効率と精度が大幅に向上。さらにレポーティングツールとの連携により意思決定が迅速となるなど、全社展開に向けた基盤が整いつつある。

背景・課題

顧客要求の高度化で業務量が膨張
Excel依存からの脱却が急務に

大成ファインケミカルは、2004年に設立された化学メーカーだ。親会社である大成ホールディングスグループの創業は100年以上前に遡り、長年蓄積された樹脂合成や分散といった技術を強みに、顧客仕様に応じた試作から量産までを広く手掛ける。

事業の中核の一つである樹脂事業では、アクリルやウレタンなどの製品を展開している。同事業では従来、化学物質管理を技術部門が担っていた。部内に「化学物質担当」を置き、関連規制の管理に加え、顧客からの問い合わせ対応を行う体制だった。

しかし2019年ごろから状況は大きく変化する。顧客からの問い合わせ件数が急速に増えてくるとともに、その内容が複雑になってきた。「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下、化審法)」をはじめとする日本の規制に加えて、グローバル化の進展による海外規制への対応、さらには環境に対する意識が高まってきたことにより、顧客独自で管理する化学物質についても報告が求められるようになってきた。「顧客から求められる書類の厚さが、1から100に増えた」(宇田氏)と感じるほどに負荷が飛躍的に高まった。

同社ではこういった変化を受け、品質保証機能を技術部門から独立させ、新たに品質保証グループを設けた。役割分担を明確化し、組織的な対応による業務効率の向上を狙った。

このような施策を講じたものの、間もなく品質保証グループの業務にも限界が生じる。各種法律の詳細や顧客ごとの製品仕様などの管理にExcel中心で対応する体制は従来通り。増え続ける問い合わせと複雑化する管理業務に対し、属人的な運用では対応しきれず、現場の負荷は極限に達していた。

選定・効果

提供データに加え、
規制情報を一括登録し柔軟に拡張

こういった状況を打開するため、化学物質管理システムの導入を決断する。専門誌や展示会などを通じて情報を集め、候補となる製品を3つに絞り、検討を進めた。

その中でコストと機能のバランスが最も優れていたAoFit-CHEMSの採用を決めた。

「化学物質管理に対する課題や要求は毎年変わってきている。AoFit-CHEMSはそうした情報の変更や追加に柔軟に対応できる」(宇田氏)。

AoFit-CHEMSでは、自動で更新される最新の法規制データを取り込むことができる。さらに、大成ファインケミカルでは、自社で追加したい規制情報を一括登録用Excelシートを利用し、大量のデータを一度に投入することで効率的なデータ登録を行っている。

ほかにも、AoFit-CHEMSは標準機能の範囲で、同社の多くの課題を解決できると考えている。

その1つが、各種データを自由に抽出できる機能である。これにより関連部署や顧客からの要望に迅速に対応できるようになった。さらに、化学物質情報から規制情報を検索できる機能により、これまでExcelの複数ファイルを横断して確認していた手間を大幅に削減できた。

2つめは、含有物質の含有率を自動で算出する機能で、品質保証グループの業務効率化に大きく寄与している。従来は問い合わせのたびに製品の含有調査を行い、Excelで個別に計算していたが、現在はシステム上で原料の構成を積み上げることで自動的に算出できる。また、原料の添付ファイルもシステム内で一元管理されているため、調査作業の迅速化を実現している。業務時間の削減に加え、手計算によるミスやヒヤリハットのリスクも解消された。

3つめが、様々なファイルがシステム上に保管できる点である。安全データシート(SDS)や顧客との契約情報も製品に紐づけて保管できるので、検索すれば所定のものが入手できる。

同社では、AoFit-CHEMSにより、量産品などに加えて、出荷前の試作品に関しても管理している。このため、開発グループをはじめ製造グループや営業グループなども、AoFit-CHEMSの情報を頻繁に閲覧し活用している。

レポーティングツールによる情報提供で
他部門の意思決定を支援

大成ファインケミカルでは、AoFit-CHEMSのオプション機能であるレポーティングツール「REPOPA(レポパ)」を連動させ、データ活用に取り組んでいる。例えば、製品の組成情報にCAS番号や規制情報などを紐付けてレポートとすることで、製品ごとの状況を俯瞰的に把握できるようにした。

また、各種規制の対象物質をREPOPAで一覧にしたうえで開発部門に提出。これによって開発部門から報告される規制対象物質の抜け漏れが圧倒的に減った。

REPOPAの活用は社内で拡大しており、営業部門では、規制対応の期限管理に活用している。化審法などは年1回の登録が必要なため、登録期限が切れそうな製品を一覧化してREPOPAで出力している。顧客にその情報を伝え、継続して販売する意図があれば再度登録を行うなどして、登録抜けの防止を行っている。

「REPOPAを使うことで、自分でも簡単にレポートのフォーマットが作れるようになった。必要なレポートが増えていって使いやすいのが魅力だ」(井上氏)。

こうした取り組みにより、部門間の情報共有は飛躍的に効率化された。またデータベース構造を理解すれば、REPOPAによって必要な情報を自由に抽出・加工できるため、各種報告書の作成スピードも大きく向上している。

定量的な効果測定は進行中ではあるものの、業務スピードの改善は明らかだ。特に含有物質などの計算や確認作業に費やしていた時間はほぼゼロとなり、その分、化学物質の調査など、「品質保証グループが本来やるべき業務に時間がかけられるようになった」(宇田氏)という。

展望

顧客要件まで取り込む基盤へ
全社展開で品質レベルを底上げ

今後は国内、海外問わずに規制情報をさらに充実していくことに加え、顧客が独自に規制する対象物質に関してもリスト化して、システムに取り込んでいく。開発部門が原料を選ぶ際にすぐにアラートを出せるようになれば、開発段階から規制リスクを考慮できるようになる。

また、現在の取り組みは樹脂事業にとどまらず、他の2つの中核事業である分散・コーティング事業と機能商品事業への展開も視野に入れている。

「Excelを利用した化学物質管理には限界がある。顧客の要望に細かく応じていかなくてはならない中小企業ほどシステムを導入すべき」(井上氏)。

他の事業においても、商品数が増加しているのは明白で品質管理には効率化が求められる。管理項目や記録方法などは樹脂事業と共通するものが多くあり、システムを横展開することで、全社的に品質レベルを底上げすることを狙う。

Company Data

大成ファインケミカル株式会社

大成ファインケミカル株式会社は2004年設立の化学メーカーである。親会社である大成ホールディングスの創業は1914年と、100年以上の歴史を有する。樹脂事業、分散・コーティング事業、機能商品事業の3つの事業を中核とする。樹脂合成や分散などを核とした技術力に強みを持ち、顧客仕様に応じた試作から量産までの一貫対応や、少量多品種・カスタム材料開発に柔軟に対応できる点を競争優位とする。

大成ファインケミカル株式会社

本社:〒124-0025 
東京都葛飾区西新小岩3丁目5番1号 
設立:2004年1月15日
URL: https://www.taisei-fc.co.jp/

事業内容:

  • アクリル系樹脂等の開発・製造・販売

  • 特殊機能性コーティング剤・顔料分散体の開発、製造、販売

  • 環境・景観商品等の企画・開発・製造・販売

導入ソリューション

A∞Fit-CHEMS

A∞Fit-CHEMSを始めませんか?