製品含有化学物質管理の基礎(第6回)
2025/10/30 15:00:00 AJS株式会社
2025/10/30 15:00:00 AJS株式会社

前回から、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版の5. 製品含有化学物質管理の実施項目に入っています。前回の記事はこちら
では続きの5.4 支援から説明していきます。。
前回も書いていますが、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版は、ダウンロードして皆さんの手元にあるという前提で書いています。
5.4の支援の部分には、
となっています。
資源に関しては、単純に言うと人とお金を出しなさい!ということが書いてあります。
そのほかに知識も書いてあるのですが、それはそれを持っている人がいないと話にならないので単純に言うとそういうことになります。
力量に関しては、もちろんどんな知識や実施能力が必要で、そのために必要な教育を実施することが書かれています。品質や環境の規格と同じですね。教育の記録も同様です。
認識については、製品含有化学物質管理の業務に関わる人には認識(知識を持っていること)が必要です。
業務に関わる人というのは、設計・開発、購買、製造、引渡し(営業)などすべての部署が
含まれるはずなのですが、必ずしもそれらの部署の人々に情報や知識が回っていない場合が、見受けられます。
いわゆる担当者だけが頑張っているというやつですね。
これだと、まともに管理ができませんので注意しましょう。
ここも他の品質や環境の規格と同様、内部コミュニケーション及び外部コミュニケーションに関して手順を決めて実施しなさいということが書かれています。特別なことはありません。
ですが、製品含有化学物質管理で筆者が注意しておかなければならないと思うのは、
外部の加工委託先、OEM先(もしあれば)など普段自分たちの目の行き届きにくいところと
のコミュニケーションをどうとるかということは気を付けておいた方がいいでしょう。
これは、他の規格でもあると思いますので、単純に済ませますが、管理するために必要な文書は作っておきましょうということです。
筆者が思うに、製品含有化学物質管理方針や製品含有化学物質に対する管理基準(実際の物質に関する基準)があって、他に必要な手順書などがあるのが普通だと思います。
他の規格と変わらないと思うのですが、化学物質そのものに対しての管理基準がわりと上位
文書で明示されているのが特徴的かもしれません。
今回は、5.4 支援の部分を簡単に解説しただけなので、短い記事になりました。
次回からいよいよ5.5 運用に入ります。実際に行うことの一番メインの部分ですね。
複数回に分けて説明することになる予定です。
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個人事務所 OFFICE KS 佐竹 一基
ソニー株式会社で材料解析の後、環境全般、特に製品化学物質管理に従事。環境推進部統括部長。退社後(一社)産業環境管理協会に勤務。2018年独立し、同協会の技術顧問となるとともに環境関係のコンサルタントを行う。
