環境を中心とした持続可能な取り組みを推進する
GX(グリーントランスフォーメーション)
日本での取り組みと事例をご紹介

 2024.05.16  AJS株式会社

環境を中心とした持続可能な取り組みを推進するGX(グリーントランスフォーメーション)日本での取り組みと事例をご紹介

はじめに

環境を中心とした持続可能な取り組みを推進するGX(グリーントランスフォーメーション)日本での取り組みと事例をご紹介 01

私たちの地球は数多くの環境問題に直面しています。気候変動、絶滅危惧種の増加、
オゾン層の破壊など、これらの問題が続く中、企業や組織がどのようにこれらの問題に
取り組むかは、持続可能な未来を実現する鍵となります。

GX(グリーントランスフォーメーション)はこの持続可能な未来の実現のための指針として
注目を集めています。

GXとは?

GXとは?

GXは、企業や組織の中心的価値として「環境」を位置づけ、全体の経営や活動を通じて
持続可能な取り組みを推進するという考え方を指します。

これは、単に「環境を守る」を超え、持続可能性を経営の中心に据えるという変革のことを
意味します。こうした変革には、従業員教育、研究開発、製品開発、サプライチェーン
マネジメントなど、企業のあらゆる側面での取り組みが求められます。

背景

20世紀以降、技術革命と経済の成長は人類の生活を豊かにしましたが、その裏には環境への
著しい負担が存在しました。
企業の一部は短期的な利益を追求し、環境保護を二の次にしてきました。
しかし、近年の気候変動や自然災害の増加を受け、企業や組織には真剣に環境問題への対策が求められるようになりました。

日本における取り組み

日本における取り組み

日本は、環境問題や持続可能性に関する課題への取り組みが長い歴史を持つ国の一つです。1970年代の環境公害問題を経て、企業や政府は環境保全の重要性を認識し、さまざまな
取り組みを進めてきました。
GXはこの歴史の中での新しい動きとして、企業の経営戦略や製品開発、社会貢献活動に
取り込まれつつあります。

◇企業の取り組み
多くの日本企業は、SDGs(持続可能な開発目標)を経営の指針として取り入れ、
その中で環境に関する目標を特に重視しています。
トヨタやホンダは、環境にやさしいハイブリッド車や電気車の普及を積極的に進めている。
また、ソニーやパナソニックは、再生可能エネルギーの導入やリサイクル技術の開発に
注力しています。

◇政府の方針
日本政府は、2050年に温室ガス排出量を実質ゼロにするという目標を設定しており、
それに向けたさまざまな施策を展開しています。
再生可能エネルギーの導入促進や、炭素吸収源としての森林の保全・拡大、エネルギー効率の向上など、多岐にわたる取り組みが行われています。

◇社会全体の動き
地方自治体や非営利団体、市民グループも、地域に根ざした環境保全活動や啓発活動を
行っています。
一例として、福岡市は地域内での環境教育や持続可能なコミュニティづくりを推進している。
また、多くのNPOやNGOが、企業とのパートナーシップを結びながら、環境保全や持続可能性に関するプロジェクトを進めています。

◇消費者の意識
日本の消費者の間でも、環境に優しい製品やサービスへの関心が高まっています。
エコマークやカーボンフットプリント表示など、商品の環境への影響を示す情報に基づいて
購入する動きが増えており、企業もこれに応じた商品開発や情報提供を強化しています。

日本におけるGXの動きは、企業、政府、そして一般市民の間で幅広く進行しています。
長い環境保全の歴史と、先進的な技術や独自の文化背景をもとに、持続可能な未来の実現に
向けた取り組みが続けられています。

事例

すでに多くの企業がGXの取り組みを始めています。
これらの企業は、それぞれの分野で環境問題に対する取り組みを進めることで、GXの理念を
体現しています。

・トヨタ - トヨタは「環境に優しい車の普及」を目指しており、
ハイブリッド車「プリウス」をはじめとした多様なエコカーの開発と販売を進めています。
また、2030年までにすべての新車が電動化されるという目標も打ち出しています。

・パナソニック - パナソニックは家電製品だけでなく、住宅、BtoB、自動車関連といった
多岐にわたる分野での環境技術の開発を行っています。
再生エネルギー関連の商品や省エネ機能を持つ家電製品の提供を通じて、
持続可能な社会の実現を目指しています。

・ユニクロ(ファーストリテイリング)- ユニクロは、環境への影響を低減するための
さまざまな取り組みを行っています。
古着の回収プログラムや、持続可能な素材を使用した商品の展開などを進めており、
サステナビリティへのコミットメントを高めています。

・アサヒビール - アサヒビールは「アサヒグループ環境ビジョン2050」を策定し、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするなどの目標を掲げています。
また、リサイクル率の向上や環境配慮型商品の開発も積極的に進めています。

・NEC - NECは、ICTを活用した環境ソリューションの提供を行っています。
例えば、スマートシティやエネルギーマネジメントシステムを通じて、環境負荷の低減や
エネルギーの効率的な利用をサポートしています。

・ダイドードリンコ - ダイドードリンコは、環境負荷の少ない商品包装の開発や、再生可能
エネルギーの導入を進めるなど、さまざまなエコ活動を展開しています。
特に、リサイクルペットボトルの使用や、再生エネルギー100%を目指す取り組みは、
業界内でのリーダーシップを示しています。

・Google - Googleは再生可能エネルギーへの取り組みを強化しています。
全世界のオフィスやデータセンターでの再生可能エネルギーの使用率を向上させるとともに、持続可能な技術を活用した新サービスの開発も進めています。

・アディダス - アディダスは循環型経済の推進に力を入れており、使い捨てるのではなく
リサイクルやリユースを重視した製品展開をしています。
また、サステナビリティを重視した新素材の研究も進めています。

・Unilever - Unileverは持続可能な農業プログラムを全世界で実施。
環境に配慮した製品開発や、CO2排出量の削減、水の有効利用など、多方面での取り組みを
行っています。

今後の発展

今後の発展

GXの考え方や手法はまだ成熟段階には至っていないとされます。しかし、次世代技術の進展、特にAIやIoTの普及、生物技術の進化などが、より効率的で環境に優しい経営を可能にすると期待されています。これに加え、消費者の意識の高まりや国際的な取り組みが、企業のGXへのシフトを促進するでしょう。

最後に

環境を中心とした持続可能な取り組みを推進するGX(グリーントランスフォーメーション)日本での取り組みと事例をご紹介 02

GXは単なる一過性のトレンドやムーブメントではありません。持続可能な未来を築くための基本的な考え方として、企業や組織、そして私たち一人一人が日々の選択や行動の中で取り入れるべき重要な指針となります。未来の環境や社会をより良くするために、GXの理念を広め、実践することが求められています。


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