あらゆるデータを集約するPIM(商品情報管理)とは?

 2024.06.14  AJS株式会社

あらゆるデータを集約するPIM(商品情報管理)とは?

はじめに

あらゆるデータを集約するPIM(商品情報管理)とは?- はじめに

情報を武器にする今日の顧客は、必要な商品を迅速かつ簡単に見つけることを
期待しています。

これは、実店舗で買い物をする場合でも、PCやモバイルでのオンラインショッピングでも、
新しいチャネル(アプリやソーシャルメディアなど)での買い物でも同様です。
マルチチャネルの世界において、ブランドや小売業者は、魅力的な商品コンテンツを展開して目立たなくてはなりません。そうすることが、お客様の期待に応え、売上を伸ばし、ブランドロイヤリティを高めることにつながります。

しかし、優れた商品体験を提供することは容易ではありません。企業内の情報のサイロ化、
マニュアルプロセス、古いシステム、一貫性のないデータ、膨大な情報の管理などの要因が
重なり、実現がより困難になっています。

そこで、システムやプロセス面で、その課題を解決するのがPIM(商品情報管理)と
言われています。今回はそのPIM(商品情報管理)について解説しいたします。

PIM(商品情報管理)の概要

PIM(Product Information Management)は、企業が製品に関する情報を集約、整理、
統一、そして共有するためのシステムやプロセスを指します。

製品カタログや在庫データ、価格、仕様、ディスクリプション、画像やビデオなど、あらゆる形式の製品情報を一元管理することができるので、PIMはeコマース、マルチチャネルマーケティング、グローバルな製品展開など、さまざまなビジネス状況で重要な役割を果たします。

主要な特徴

あらゆるデータを集約するPIM(商品情報管理)とは? - 主要な特徴

PIMシステムは、製品情報の管理を効率化することにより、
企業はビジネスプロセスを高速化し、製品の市場投入時間を短縮することが可能となります。また、PIMは製品情報の品質を向上させるため、消費者に対する信頼性を高め、顧客体験を
向上させることも可能となりますが、以下のような大きく4つの機能があります。

データの一元管理:
PIMの一つの重要な機能は、製品に関する全ての情報を一元的に管理することです。
情報の二重性や重複を防ぎ、データの一貫性を維持することが可能になります。
PIMはまた、情報の変更や更新をリアルタイムで反映し、全てのチャネルで同期を保つことも可能です。

データの統合と標準化:
PIMは異なるソースからのデータを統合し、標準化する機能を持っています。
この機能により、多様な形式のデータを統一的な形式に変換し、整理することができ、
製品情報が異なるチャネルやプラットフォーム間で一貫性を保つために重要な役割を
担います。

データの配信:
PIMシステムは、製品情報を必要な場所に、必要な形式で配信することができます。
これにより、企業は製品情報を自社のウェブサイト、eコマースプラットフォーム、ソーシャルメディア、印刷カタログ、ERPシステム、POSシステムなど、様々なチャネルやシステムに
迅速かつ簡単に配信することが可能となります。

データの品質管理:
PIMは、製品情報の品質を維持し、その情報が正確かつ一貫性を保つための機能も
提供します。これにより、製品の仕様、価格、在庫状況などの情報が常に最新かつ正確な
状態であることを保証できます。

PIMの導入事例

大手家電製品メーカーの事例:

PIMの導入事例 01

一例として、ある大手家電製品メーカーがPIMシステムを導入したケースを挙げます。
同社は、数千種類にも及ぶ製品を生産・販売しており、製品データの管理は非常に複雑で
時間を要するタスクでした。

さらに、新製品のリリースや価格の変動、仕様の変更などにより、
製品情報は常に更新されていました。

PIMシステムを導入する前は、各チームがそれぞれ異なる方式で製品情報を管理して
いたため、情報の一貫性を保つのが困難でした。
しかし、PIMシステムの導入により、全ての製品情報が一元化され、情報の更新も
リアルタイムで反映されるようになりました。これにより、同社は製品データの管理効率を
大幅に向上させ、市場投入時間の短縮や顧客満足度の向上を実現しました。

eコマース企業の事例:

PIMの導入事例 02

次に、PIMシステムを導入したeコマース企業の事例を挙げます。
この企業は、数万のSKUを取り扱い、数多くのオンラインマーケットプレイスと物理的な
店舗で製品を販売しています。

PIMシステムを導入する前、同社は複数のデータソースを手動で管理しており、
情報の不一致やエラーが頻発していました。しかし、PIMシステムの導入により、製品情報が一元化され、情報の一貫性と品質が向上しました。

さらに、PIMシステムは、製品情報を各チャネルに自動的に配信することが可能となり、
情報の手入力によるエラーが大幅に減少しました。
これにより、同社はオペレーションの効率を大幅に向上させ、より多くのチャネルに製品を
販売することが可能となりました。

以上の事例からもわかるように、
PIM(商品情報管理)システムは、製品情報の一元化、一貫性の確保、配信の自動化、
品質管理など、製品情報管理における多くの課題を解決するための強力なツールです。

また、それらの機能により、企業は製品情報の管理を効率化し、ビジネスプロセスを
高速化することが可能となります。さらに、製品情報の品質を向上させることにより、
消費者の信頼性を高め、顧客体験を向上させることも可能となります。
これらの理由から、多くの企業がPIMシステムの導入を検討しています。

最後に

PIM(商品情報管理)は、製品情報の集約、整理、統一、そして共有を実現する重要な
システムです。PIMシステムの導入により、企業は製品情報の管理を効率化し、
ビジネスプロセスを高速化することが可能となります。

また、製品情報の品質を向上させることにより、消費者の信頼性を高め、顧客体験を
向上させることも可能となります。PIMは今後も多くの企業がPIMシステムの重要性が高まる
ことになるでしょう。


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