はじめに
どんな質問にも人間らしい自然な口調で答えてくれる
チャットボット「ChatGPT(読み:チャット・ジーピーティー)」が
大きな話題を集めたことで、AIを専門とする企業に限らず、
あらゆる方面から注目されている団体「OpenAI(オープン・エーアイ)」。
ChatGPTのほかにも、入力した言葉や文から画像を生成できるAIなど、
さまざまなAIモデルを開発している研究機関で、
その可能性に不安や期待を抱く人は少なくありません。
今回はそのOpenAI、そしてChatGPTについて解説してまいります。
OpenAIとは?
OpenAIは、人類全体の利益を最優先に考えることを目的に2015年に設立された、
米サンフランシスコに拠点を構える、AI(人工知能)を専門とする
非営利の人工知能(AI)研究所です。
「Airbnb」や「Dropbox」への投資を成功させてきた投資会社「Yコンビネーター」の
元代表、サム・アルトマン氏が現在トップに立っています。
共同創業者や出資者には、テスラやTwitterの代表であるイーロン・マスク氏、
LinkedIn共同創業者のリード・ギャレット・ホフマン氏、
Stripeの元CTOであるグレッグ・ブロックマン氏など、
研究者・起業家・投資家の有力者をかき集めたような錚々たるメンバーが名を連ねています。
AIとひと口に言ってもその種類は多岐に渡りますが、
OpenAIの強みは、膨大なデータから学習し、新たなテキストや画像、
音声を生み出す「ジェネレーティブAI(生成AI)」です。
AIモデルのトレーニングに使用されているのは、
2016年から提携関係を結んでいるマイクロソフトのクラウドプラットフォーム
「Azure(アジュール)」で、同社からの投資額は110億ドル(約1.5兆円)にも上ります。
ChatGPTとは
ChatGPTは、OpenAIが開発した自然言語処理のAIモデルです。
大量のテキストデータを通じて学習し、
自然な人間の言葉を模倣して会話を進めることができます。
このモデルは、人間のように複雑な問題を理解し、会話のコンテキストを理解することが
可能で、さまざまなアプリケーションで使用されています。
例えば、コンテンツ生成、教育、顧客サポート、翻訳、ゲームプレイ、
プログラミングヘルプなど、広範な領域に及びます。
最近では、OpenAIのGPT-3に続く新たなモデル、GPT-4が発表され、
大きな注目を集めています。
GPT-4は、その巨大なモデルサイズと一段と進化した学習能力により、
より自然な会話体験と、広範で複雑な問題解決能力を提供します。
これにより、教育、エンターテイメント、ビジネスコミュニケーション、テクニカルサポートなど、多くの分野での応用がさらに広がると期待されています。
GPT-4は、前世代のモデルよりもはるかに大きなデータセットを用いて訓練され、
それにより豊富な知識と理解を持つことが可能になっています。
しかし、それに伴って、誤った情報の伝播、悪意のある使用など、
新たな課題も増えています。
これらの問題に対してOpenAIは、モデルの透明性と理解可能性を向上させる研究を行い、
使用者が自身のAIをカスタマイズできるようなフレームワークを提供すること、
モデルの使用に関する倫理的なガイドラインや規制を設けることで、
AIの恩恵を受けつつ、そのリスクを適切に管理する方法を模索していると発表しています。
最後に
既に多くの企業や団体で利用や活用が始まっているOpenAIのChatGPTですが、
情報セキュリティや著作権の問題に注視して利用に慎重になっている企業や団体もあります。
検索エンジンが世の中に発表された頃によく似た現象に似ているとも言えますが、
AIの活用が広まり企業や人々の社会生活を豊かなものにしていく動きは
始まったばかりにも関わらず、その範囲は広大なものになっていますので、
今後さらに注目が集まるテーマと言えるでしょう。
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