導入事例:社会福祉法人 千種会様

人事考課システム「P-TH」で、人事評価の見える化 を実現。職員のキャリアプラン意識の向上で、福祉サービスのさらなる充実と人材の確保へ


職員の介護スキル、人間力の強化、キャリアプランへの意識向上は、福祉サービスの充実や人材の定着、採用につながる。それを実現するのが人事制度である。そう考える社会福祉法人千種会様(以下、千種会)では、Excel のシートで運用していた人事評価制度に対して、AJS の人事考課システム「P-TH(ピース)」を導入した。

USBメモリに入れたExcelシートで人事評価。しかし煩雑さから処理が限界に

USBメモリに入れたExcelシートで人事評価。しかし煩雑さから処理が限界に

兵庫県神戸市東灘区を拠点とする千種会は、20年以上の長きに渡り、地域密着型の高齢者向け福祉施設を運営している。施設のタイプは入居、グループホーム、ケアハウスなど多岐にわたり、入居、デイサービス、訪問看護、リハビリまでさまざまなサービスを幅広く提供している。なかには保育園を併設している施設もある。

「人が人を支援する福祉施設は、プロとしての介護スキルは当然ですが、それ以上に人間力を重視しています」と語るのは、千種会法人本部 八木奈津子氏。その人材育成に役立つのが人事評価制度である。千種会では年に2回人事評価を行ない、職員の給与、人事異動に反映させている。それを取りまとめていたのが八木氏だ。

これまではExcelシートを用いて人事評価を行っていた。そこには千種会が求める人材の育成方針に沿った形で、独自の目標や評価の項目が設けられていた。そのExcelシートを入れたUSBメモリを職員全員に配布し、記入したものを一次評価者である部門の主任が回収、部門ごとに法人本部に送るという流れで行っていた。

しかしその作業負担は非常に重かった。全員分のUSBメモリを用意し、Excelのシートをコピーし配布する。回収後もUSBメモリからExcelのデータを読み取り、集約する手間は非常に煩雑だった。

それが限界を迎えたのは2012年、250人程度だった全体の職員数が500名規模(評価の対象者が300名)に増えたころだった。「USBメモリでは、今どこにあるのか、誰が記入を終えたかの把握ができません。今後も職員数が増えるなら、人事評価のやり方を今、刷新すべきと考えました」(八木氏)

人事制度において八木氏が特に重視しているのは、キャリアプランへの意識を根付かせることだった。

「千種会なら充実した福祉の仕事ができる、自分のキャリアも高められると実感してほしいのです。そして定着して長く働いてほしい。人材採用でも、千種会なら自分を伸ばせると期待して来てほしい。利用者にも働く人にも、より魅力ある千種会にするために、人事制度があると考えています」と八木氏はいい、「そのためにも人事評価プロセスの見直しは必要でした」と続ける。

Excelシートをそのまま使ってWebアプリで管理できる 人事考課システムP-TH

人事評価運用の対策についてネットで検索していた八木氏の目に留まったのがAJSの人事考課システム「P-TH(ピース)」だった。P-THは、人事評価をWebサーバー上で管理するシステムだ。職員は、サーバーからダウンロードした人事評価用のExcelシートを開いて記入する。記入後、Excelのシート上の登録ボタンをクリックすると、データは自動的にシステムに保存される。

したがって、ExcelファイルやUSBメモリの配布・回収の作業は不要になり、職員ごとの進捗管理もシステムからできるようになった。そして簡単な操作でデータを集計でき、分析に利用できる。

上記のことが実現できるのは、P-THがExcelシート上の情報をデータベースに登録し、管理できる機能を持っているからだ。P-THに興味を持った八木氏は、「けあらん」代表理事である植松照仁氏に相談した。けあらんは「寄り添い・つなぎ・絆をつくるスマイル介護応援隊」として、高齢者とそれを取り巻く環境を改善する提案や働きかけを行っている団体である。システム開発にも明るい植松氏は、2015年春、AJSにコンタクトを取った。

AJSがデモ環境を用意し披露したところ、八木氏は「P-THなら今まで使っていたExcelのシートを利用できるので操作方法は変わりません。パソコンに不慣れな職員の負担を増やさずに済みます」との感触を得た。

また多種多様なExcelのシートに対応する柔軟性を備えていたため、現在使っているExcelのシートだけでなく、将来シートの内容を変えた場合でも対応できる点も安心材料となった。千種会は2016年4月からP-THでの運用を始めた。

人事評価の進捗管理が改善。職員のモチベーションも向上

P-TH導入による大きな変化は「Excelファイルの管理から解放されたこと」と八木氏はいう。これまでExcelファイルの配布や回収の負担が重かったため、人事評価そのものに割くべき時間にしわ寄せがきていた。負担が軽減された分、本来の業務に集中できるようになった。

さらに「いつでも現在の進捗が確認でき、一人ひとりの入力状況がわかります。これまでは一人でも遅れている人がいたら、その部署全体の評価が遅れていました。今は早く提出してくれた職員の分から順番に評価できるようになりました」(八木氏)という利点も生まれた。

かねてから目指していた被評価者(職員)、および一次評価者(主任)のキャリアプランに対する意識向上も効果として実感できるという。P-THでは、被評価者と一次評価者の面談が済んでいるかどうかも、把握できる。面談を終えない限り、P-THに目標を記載したExcelシートを登録できないというように、プロセスの徹底も実現できた。

「生きた評価にするには、目標設定は極めて重要です。高い意識を持つことはすばらしいことですが、到達できないような目標を立てると、達成率は半分もいかない。逆に目標が低すぎると達成率は上がるものの、意味がありません。その達成率の数値だけで人事評価を決めると不公平になってしまいます。目標設定は本人だけでなく、職場でのバランスを見ることも必要です。

P-THを使うことで適正な目標設定が可能になります。階段を上るように着実にステップアップしていくというキャリアプランへの意識が全体に浸透し、仕事に対するモチベーションアップにもつながっています。また評価者との面談内容も深められるので、職員一人ひとりにあったキャリアプランを考えることにも役立っています。それは埋もれていた人材を見つけ出すことにもつながります。」(八木氏)

人事のプロセスで、千種会の目指すビジョンを職員で共有

八木氏は「千種会のスタンダードな人材を育成すること。それは将来の千種会を左右するほど、重要なテーマ」と語る。千種会では、経営層が施設長と定期的に座談会を設けている。それは千種会のビジョン、求める人材像を共有するためである。

P-TH導入により、公平性を担保しながら適材適所への配置が可能となった。それは、より働き甲斐を感じる職場の創造につながり、ひいては良い人材の採用と定着という効果を生むだろう。

また千種会では現場の介護職員が昇進して施設長になることも多い。施設長が現場をよく知っている利点もあるが、ステップアップしていく姿を各職員が自分自身の将来像として見られる点も見逃せない。

「P-TH導入で人事の見える化が実現できました。介護は優しさが大切といわれていますが、それだけがすべてではありません。介護スキル、働くモチベーション、そしてキャリアアップへの意識、その先に福祉サービスのさらなる充実があります。このシステムをうまく活用して職員が働く喜び、自身が成長する楽しみを感じてもらうとともに、利用者の方々に喜んでいただけるサービスを充実させていきたい」と八木氏は将来への抱負を口にした。

社会福祉法人 千種会

本社:〒658-0014 兵庫県神戸市東灘区北青木一丁目1番3号
創業:1990年3月12日
URL:http://www.chikusakai.jp/

事業内容  神戸市東灘区において特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、ケアハウス、グループホームなど、さまざまな高齢者向けサービスを展開している。

導入ソリューション

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ExcelとWebで実現する人事考課システム。
”人事評価制度(Excel評価シート、ワークフロー)”をそのままシステム化します

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