製品含有化学物質管理の基礎(第11回)
2026/04/03 8:00:00 AJS株式会社
2026/04/03 8:00:00 AJS株式会社

今回は、製品含有化学物質管理ガイドライン第4.0版の附属書についての説明となります。
ガイドラインにはAからFの6つの附属書がありそれぞれ以下のような題名となっています。
附属書A:JIS Z 7201,品質及び環境マネジメントシステムとの比較
附属書B:併行生産について
附属書C:製品化学物質の7つの管理枠組みに該当する実施項目
附属書D:実施項目一覧表
附属書E:チェックシート
附属書F:自己適合宣言
この附属書には、JIS Z 7201(製品含有化学物質管理−原則及び指針)と
品質(ISO 9001:2015)及び環境(ISO 14001:2015)のマネジメントシステムの要求事項の比較表が書かれています。
実際にはJIS Z 7201における項目5製品含有化学物質管理の指針の部分とISOの規格側では
項目4~10までの部分が対比されています。
これを見ると全体の要求事項の概要は、どれもそれほど変わらないことがわかると思います。どの部分にフォーカスしてマネジメントシステムを作るかで内容が異なっているとも
言えます。
だた、JIS Z 7201は、認証システムに基づいているISO 9001やISO 14001と異なり、
経営者に対しての必須項目が存在しません。
とは言え、やることは同じなので、最初に経営者に対して説明し、決裁を得ることは必須と
考えます。
この附属書には、図を使って併行生産とはどういう場合があるかということと、誤使用や
汚染の防止策の重要性が書かれています。
実際に併行生産を行っている場合は、参考にしてください。原材料、部品だけでなく、
治具や工具の管理も重要です。
この附属書には、ガイドライン本文の4.6 製品化学物質管理の枠組みに書いてある
製品化学物質の7つの管理枠組みの実施項目が書かれています。
このシリーズの解説では、この7つの管理枠組みについては全く触れてきませんでした。
7つの枠組みとは、以下のものです。
Ⅰ 化学品の購買
Ⅱ 化学品の製造
Ⅲ 化学品の引き渡し
Ⅳ 成形品の購買
Ⅴ 成形品の製造
Ⅵ 成形品の引渡し
Ⅶ 共通管理
このガイドラインでは、この7つの枠組みは結構重きを置いて書かれているのですが、
基本的には読んでいただければわかる内容なので、自社に当てはまるのはどれなのか
見ておけばよいと思います。
この附属書は、ガイドライン本文の「5. 製品含有化学物質管理のための実施項目」が
一覧表になっているだけです。
この附属書は、文書上にも書かれていますが、実際にはExcelのブックとしてDLできます。
現在の最新版は、チェックシート第4.01版となっています。
附属書の中では、このチェックシートが最も役に立つでしょう。
これで自社の製品化学物質管理の評価をできるだけでなく、供給者の製品化学物質管理を
チェックすることも可能です。しかも、日英中そろっているので海外の取引先を評価する際も役立ちます。
この附属書Fは、自己適合宣言の様式例、記入例が書かれているのですが、自己適合宣言を
する会社はほぼないので、あくまで例というものです。
今まで続けてきた、製品含有化学物質管理の基礎のシリーズは、次回で最終回になります。
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個人事務所 OFFICE KS 佐竹 一基
ソニー株式会社で材料解析の後、環境全般、特に製品化学物質管理に従事。環境推進部統括部長。退社後(一社)産業環境管理協会に勤務。2018年独立し、同協会の技術顧問となるとともに環境関係のコンサルタントを行う。
