
急速に変化するビジネス環境の中で、“長く働き続けられるキャリア”をどのように築くべきか。
そんな問いに対する答えとして注目されているのが「サステナブルキャリア」です。
こちらの記事では、サステナブルキャリアの意義や、考え方が生まれた背景、サステナブルキャリアを構成する3つの要素と実践的な意義をわかりやすく解説します。
サステナブルキャリアとは

「サステナブルキャリア(持続可能なキャリア)」とは、個人が長期的に、健やかに、安定的に、そして自分らしく働き続けられるキャリアのあり方を示す概念です。
単なるキャリアアップや転職といった短期的なものではなく、人生そのものに寄り添いながら「どのように成長し続けるか」「どのような経験を積みたいか」を主体的に考えることをいいます。
現代は、従来から存在してきた昇進や異動に加え、転職がより一般的な選択肢となり、個人が主体的にキャリアを選び直す時代となっています。
さらに、女性の社会進出や少子高齢化などのライフステージの変化も重なり、個人のキャリアは、企業や組織といった職業領域だけでなく、学び直しの場や副業など、複数の社会的な領域にまたがるものとなっています。
その中で、個人が主体となって継続的に成長の機会をつくり、自身のキャリアをどう築いていくかを考えることが、これまで以上に重要になっています。
また、企業がサステナブルキャリアの概念を取り入れることで、従業員の能力開発やキャリア形成の支援が進み、結果としてモチベーション向上につながることも期待できます。
個人・組織の両者が長期的に価値を高め合い、『持続可能な関係』を築くための新しい考え方として、サステナブルキャリアが注目されているのです。
サステナブルキャリアを構成する3つの要素

サステナブルキャリアを考える上で、特に重要となる要素は「健康」「幸福」「成果」の3つです。
こちらでは、サステナブルキャリアを構成する3つの要素のくわしい内容と、それぞれの強い相関関係について解説します。
健康
サステナブルキャリアを築くうえで、「肉体的・精神的な健康」は最も基盤となる要素です。
どれほどスキルや意欲があっても、長期的に働き続けられるだけの体力やメンタルが整っていなければ、キャリアを持続させることはできません。
長く続くキャリアの中では、無理なく働ける生活リズムを保ち、心身のコンディションを安定させることが重要です。
たとえば、
身体的な健康:過度に疲れすぎない、自律した生活習慣が維持できる
精神的な健康:ストレス管理ができ、感情面が安定している
健康を支える働き方:適度なリフレッシュ、柔軟性のある働き方で負荷を調整できる
などの肉体的・精神的な健康が求められます。
健康が損なわれると、仕事のパフォーマンスが低下するだけでなく、キャリアの継続そのものが危ぶまれ、成果や幸福感も大きく失われてしまいます。
幸福
サステナブルキャリアにおいて、「働くことを通じて幸せを感じる」ことも大切な要素です。
働く人の幸福には、仕事そのものの充実感や満足感、そしてモチベーションの維持といった、キャリアを長期的に続けていくためのエネルギー源的な要素が含まれます。
以下のような状態は、サステナブルキャリアを支える大きな力となるでしょう。
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仕事の意義や目的を感じられる
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自分のスキルや強みを活かして働ける
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仕事での達成感や成長を得られる
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ワークライフバランスが整い、無理なく働ける
このような状態は、仕事への前向きな姿勢や心身の健康を支え、結果として良い成果につながるでしょう。
また、仕事を通じた達成や成長の実感が、さらに幸福感を高めることも少なくありません。
サステナブルキャリアにおける幸福とは、成果を生み出す源であると同時に、成果によって育まれる結果でもあり、相互に影響し合う循環的な関係にあると考えられます。
成果
サステナブルキャリアでは、「組織や社会に価値を提供し、成果を発揮し続けられる状態」も欠かせない要素とされています。
個人が持続的に働き、キャリアを安定的に築いていくためには、外部からの評価や報酬だけでなく、将来につながる成果を積み重ねていくことが欠かせません。
成果には、次のようなものが挙げられます。
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組織に対して継続的に価値を提供する
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実務でスキルや経験を磨き、学習成果を蓄積する
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協調行動を活発にし、組織内で強い信頼資本を築く
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経験や実績を、次の役割や機会につなげる
短期的な成果以外に、学習や信頼関係、将来の選択肢を広げる経験を含めた成果を重ねることが、持続的なキャリア形成にもつながるでしょう。
このように、サステナブルキャリアを構成する「健康」「幸福」「成果」の3要素には強い相関関係があり、3つが揃うことではじめて、個人と組織が互いに持続可能なキャリアを築ける状態となるのです。
サステナブルキャリアの実践的意義
サステナブルキャリアには、個人の働き方と組織の人材育成の両面で、2つの大きな実践的意義があります。
以下に、それぞれの実践的な意義について、詳しくご紹介していきます。
キャリアを「自分ごと」として捉え直す
サステナブルキャリアは、個人が自分のキャリアを能動的に選択し、働く意味や目的を深く問い直す機会として大きな意義を持ちます。
環境の変化に流されるのではなく、自分の意思でキャリアを築くことが求められます。
この概念のもとでは、個人は次のような形で主体性を発揮できるようになります。
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自らの健康・幸福・成果を主体的に管理し、キャリアをコントロールする
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副業や越境学習を通じて、キャリアのオーナーシップ(自分ごと化)が強まる
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「何のために働くのか」「どのような価値を組織に提供したいか」の意味を問い直す
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個人の資源(時間・体力・スキル)を戦略的に配分し、長期的にキャリアを持続できる
こうした思考と行動のプロセスを積み重ねることで、個人はキャリアの選択において自律的かつ安定的に意思決定ができるでしょう。
能力開発・キャリア形成の再構築
現代において、企業には、個人の能力開発やキャリア形成の仕組みを、時代に合わせて再構築することが求められています。
個人のキャリアは組織の中だけで完結しない時代だからこそ、企業には従業員一人ひとりが持続的に成長できる環境整備が欠かせません。
たとえば、従来のOJT(On-the-Job Training)をアップデートし、越境学習や副業を組織内の施策としたり、必要なキャリアを可視化してリスキリングの機会を提供することも効果的です。
また企業は、サステナブルキャリアの考え方に基づき、従業員を『価値を生み出す存在(タレント)』として位置付け、成長を支援する必要があります。
企業が率先して仕組みを整えることで、従業員の健康や幸福を土台とした持続的な成果の発揮を促すことができます。
能力開発・キャリア形成を再構築することで、個人と組織がともに持続可能な成長を実現できます。
サステナブルキャリアの支援に。
人事評価システム「P-TH/P-TH+」
サステナブルキャリアを実現するためには、個人と組織が互いに成長し続けられる仕組みが不可欠。
そこでおすすめしたいのが、人事評価システム「P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)」です。
使い慣れたExcelの評価シートをそのままシステム化できる、人事評価システム「P-TH/P-TH+」に標準搭載されている『1on1機能』では、面談の記録や議題の事前共有、次回までのアクション整理(宿題事項)をすべてシステム上で一元管理することが可能です。
また、1on1ミーティングの分析レポート機能により、1on1ミーティングに対するチームの満足度を確認し、より効果的な1on1ミーティングにするための研修などの施策を検討することもできます。
「P-TH/P-TH+」の『1on1機能』を上手に使うことで、従業員のサステナブルキャリアの核となる「健康」「幸福」「成果」の3つの揺れの把握にも効果的です。
従業員一人ひとりが長期的に働ける組織を目指しましょう。
まとめ
サステナブルキャリアは、個人が長期的に健やかに働き続け、組織や社会に対して価値を提供し続けられるキャリアのあり方です。
また、サステナブルキャリアを構成する「健康」「幸福」「成果」という3つの要素は、互いに影響し合いながら、個人の成長と持続的なキャリアを支える重要な基盤でもあります。
個人はより主体性を高め、企業は個人の能力開発やキャリア形成の仕組みをアップデートし、共に持続可能な成長関係を築いていくサステナブルキャリアは、今後ますます注目されるでしょう。
<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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