OJTとは?実施するメリットや効果的な進め方、
OJT運用を成功させるためのポイントを解説

 2026.04.23  AJS株式会社

OJTとは?実施するメリットや効果的な進め方、OJT運用を成功させるためのポイントを解説

実際の業務を通じて知識やスキルを習得していく教育方法の一つでもある、「OJT(On-the-Job Training/オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」。

現場で実践しながら必要なスキルを学ぶため、新人の定着と即戦力化につながる手法として、多くの企業で活用されています。

一方で、「指導方法が属人化してしまう」「担当者の負担が大きい」といった課題を感じている企業も少なくありません。

OJTを効果的に実施するためには、基本的な仕組みやメリットを理解した上で、計画的に運用することが重要です。

そこで、こちらの記事では、OJTの基本的な意味や目的、OJTを実施するメリット、効果的な進め方、さらにOJT運用を成功させるためのポイントまで分かりやすく解説します。

人材育成の方法を見直したい企業の人事担当者の方や、OJTの導入・改善を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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OJTとは?意味や目的について

OJTとは?意味や目的について

「OJT(On-the-Job Training/オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」とは、直属の上司や先輩社員が指導役(トレーナー)となり、職場での通常業務を通じて新入社員や若手社員に対して指導・教育を行う実務訓練のことを指します。

多くの場合、マンツーマンで指導を行い、実際の業務を体験しながら知識や実践的なスキルを身につけていく人材育成手法の一つです。

職場での仕事の進め方や専門知識だけでなく、業務への取り組み方やコミュニケーションの取り方など、現場で求められる姿勢も含めて学ぶことができます。

さらに、OJTでは、PDCA(Plan・Do・Check・Action)を回しながら実務経験を積むことで、効率的にスキルや知識を習得できるのも大きな特徴です。

新入社員や若手社員が仕事を覚えるための教育制度として多くの企業でOJTが導入されており、新人の定着と即戦力化、早期離職の防止などを目的としています。

また、OJTでは、指導役となる社員自身がトレーナーを努めるため、指導者側の育成やマネジメント力の向上といった効果も期待できます。

OJTとOff-JTの違い

人材育成の方法にはさまざまな手法がありますが、その代表的なものが「OJT(On-the-Job Training)」と「Off-JT(Off-the-Job Training)」です。

どちらも社員教育において重要な役割を担いますが、学習する場所や方法、身につくスキルなどに違いがあります。

OJT(On-the-Job Training)

OJTとは、実際の業務を通じて知識やスキルを習得する『職場内訓練』です。
先輩社員や直属の上司が指導役(トレーナー)となり、職場での業務を行いながら指導を行います。

現場で仕事と並行して学習するため、業務への理解が深まりやすく、早期に即戦力となる人材を育成できる点が大きなメリットです。

Off-JT(Off-the-Job Training)

Off-JTとは、理論や専門知識を体系的に学ぶことを目的とした教育・研修のこと。
業務とは別に、集合研修や社内セミナー、外部研修、eラーニング、座学など、研修の時間を確保して実施します。

OJTは実務に基づいた教育方法のため、実践的なスキルを身につけやすく、新入社員や若手社員の即戦力化に有効です。

しかし、OJTだけでは理論的・体系的な知識を十分に学ぶことが難しいことも多く、育成担当者であるOJTトレーナーの指導スキルによって教育の質や進捗に差が生まれるといった課題もあります。

OJTのデメリットを補完できるOff-JT(研修やeラーニングなどの座学)と組み合わせて実施することで、バランスの取れた人材育成が可能となり、OJTをより効果的に運用することができます。

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OJTを行うことで得られるメリット

OJTを行うことで得られるメリット

OJTは、新入社員の教育方法として多くの企業で取り入れられていますが、導入することでさまざまなメリットが期待できます。

ここでは、OJTを実施することで得られる主なメリットについてご紹介します。

新入社員を“即戦力”として育成できる

OJTは、上司や先輩社員の指導のもと、実際の仕事に携わりながら学ぶ教育方法であるため、座学だけでは身につきにくい実務に直結する知識やノウハウを効率よく習得できます。

また、基本的にマンツーマンで行われることが多いため、OJTトレーナーが新入社員の理解度や性格に合わせて指導内容を調整したり、習熟度に応じて進めることも可能です。

OJTでは、学んだ内容をすぐに現場で実践できるため、新入社員の成長スピードが高まり、効率的に即戦力として育成することができます。

OJTを通じて『できること』が増えた新入社員は、社内で活躍できる場面も増え、仕事への自信やモチベーションの向上にもつながります。

前向きな成長実感の積み重ねは、企業への定着率向上や早期離職の防止にも寄与するでしょう。

職場のコミュニケーションが活性化する

OJTでは、上司や先輩社員が、新入社員とマンツーマンでじっくり向き合いながら指導を行うため、日常的に多くのコミュニケーションが生まれます。

業務の進め方を教えるだけでなく、進捗確認や小まめなフィードバック、新入社員が抱える疑問への対応などを通じて、自然と対話の機会も増えていきます。

このように、新入社員をサポートする過程で職場内のコミュニケーションが活発になることも、OJTのメリットの一つです。

指導者(OJTトレーナー)が新人と継続的に対話することで、社員一人ひとりの個性や強み、得意分野なども把握しやすくなり、結果として良好な人間関係の構築にもつながります。

また、OJTを通じて上司や先輩社員が積極的に関わることで、新入社員は『自分の成長を気にかけてくれている』という安心感も生まれます。

こうした心理的な安心感は、新入社員の孤立を防ぐだけでなく、会社への帰属意識や主体的に仕事へ取り組む姿勢・自律性が醸成されます。

OJTトレーナー自身も成長できる

OJTは、新入社員や若手社員の育成だけでなく、指導を担当するOJTトレーナーにとっても成長の機会となります。

トレーナーは、自身の業務の進め方や、問題解決のプロセスを新入社員に示しながら指導を行うため、自分の仕事の進め方を改めて整理したり、言語化したりする必要があります。

自分の経験やノウハウを伝える過程で、トレーナーは業務理解を深めるだけでなく、相手に分かりやすく伝える力や指導力を養うことができます。

また、新入社員の理解度や習熟度など、状況に応じてサポートを行う中で、人材育成力や対人マネジメント力も自然と身についていきます。

さらに、OJTトレーナーとして新入社員や若手社員の育成に関わることで、将来的に管理職(マネージャー)としてチームを率いる前段階のトレーニングとしても重要な役割を果たします。

効果的にOJTを実施する4つのステップ

効果的にOJTを実施する4つのステップ

ここからは、効果的にOJTを実施する上での4つの基本ステップをご紹介します。

やってみせる

まずは、新入社員が業務の内容を視覚的に理解できるように、OJTトレーナーが仕事の流れやポイントを実際に示します。

現場業務における“お手本”を新入社員に見せることで、仕事の進め方や具体的な作業イメージを掴みやすくなります。

この際、単に作業を見せるのではなく、『どの部分が重要なのか』を意識しながら実践して見せることが重要です。

未経験の新入社員でも理解できるよう、分かりやすい手順で行いましょう。

説明・解説する

OJTトレーナーがお手本を見せた後は、業務の意図やポイントを言葉で分かりやすく説明します。

表面的な内容にとどまらず、業務の目的や背景、『なぜこの手順で行うのか』『どのような点に注意すべきか』といった部分まで具体的に解説することで、新入社員は業務の意味を理解しながら学ぶことができ、理解度の向上につながります。

また、マニュアルには記載されていない職場の暗黙知(実践上のコツや工夫)についても、この段階でしっかりと共有しておくことが欠かせません。
現場ならではのノウハウを伝えることで、実務に役立つ知識をより深く習得できます。

さらに、次のステップで新入社員が実際に業務を行えるように、説明だけで終わらせるのではなく、質疑応答の時間を設けて、疑問を残さない状態にしておくことも大切です。

実際にやってもらう

説明を終えたら、新入社員に実際の業務を行ってもらいます。

これまで見て学んだ内容を新入社員自身が実践することで、業務への理解が深まり、知識やスキルの定着につながります。

この段階では、OJTトレーナーが近くで様子を見守りながら新入社員のサポートを行い、新入社員が安心して業務に取り組めるよう、必要に応じてアドバイスやフォローをしましょう。

最初はうまくできない場面や失敗があるかもしれませんが、実践を繰り返すことで徐々に業務のコツをつかみ、スムーズに仕事を進められるようになります。

フィードバックする

最後に、新入社員が実施した業務について評価を行い、振り返りの時間を設けて適切なフィードバックを行います。

実践した内容を一緒に振り返りながら、「できたこと」と「できていないこと」の両方を確認することがポイントです。

できていた部分については具体的に褒めることで、新入社員は自信を持つことができます。
一方で、改善が必要な点については、理由やポイントを丁寧に伝えることで、今後の業務改善や成長につなげることができます。

良かった点と改善点をバランスよく伝えることが、効果的なフィードバックにつながります。

また、評価を行う際は、OJTトレーナーが一方的に指摘するのではなく、新入社員にも『どこがうまくできたと思うか』『どこを改善できそうか』など、振り返りを促すことで、より主体的な成長が期待できます。

OJT運用を成功させる2つのポイント

効果的なOJT運用には、組織として適切な仕組みやサポート体制を整えることが欠かせません。

こちらでは、OJTを成功させるために押さえておきたい主なポイントをご紹介します。

OJTトレーナーのサポート体制を整える

OJTには、指導を担当するOJTトレーナーによって指導内容や教育の質に差が生じてしまうというデメリットがあります。

指導体制が十分に整っていない場合、新入社員の教育にばらつきが生まれ、育成効果にも影響が出てしまう可能性もあります。

OJT運用を成功させるためには、OJTトレーナーにすべてを任せるのではなく、組織全体でOJTトレーナーをサポートする体制づくりが重要です。

以下に、効果的な取り組みをお伝えします。

  • 組織全体の育成方針や目標を明確にし、育成計画を策定する

    関係者間で方針や目標を共有することで、指導方法や目標設定に関する認識のズレを防ぎ、効果的なOJTを推進します。

  • OJTトレーナーの指導スキルを向上させるための研修やトレーニングを実施する

    教育マニュアルの整備や、指導方法に関する研修を行うことで、OJTトレーナーの指導力を高めることができ、新入社員の早期戦力化や組織全体の活性化にもつながります。

  • OJTトレーナーの業務範囲や目標を見直す

    OJTトレーナーが教育や指導にも十分な時間を割けるように業務配分を調整することで、OJTに集中できる環境を整え、教育の質の低下を防ぐことができます。

振り返り・フィードバックは定期的に行う

OJT運用を成功させるためには、業務指導を行うだけで終わらせるのではなく、その後の振り返りや定期的なフィードバックを行うことが大切です。

定期的に状況を確認することで、OJTの進め方や育成の効果を把握し、必要に応じて改善することができます。

たとえば、OJTの進捗状況やカリキュラムの内容、OJTトレーナーの指導方法などを確認し、具体的な成果や改善点について検討します。

各業務における作業プロセスや時間配分、指導方法、コミュニケーションの取り方が適切だったかどうかを振り返ることで、より効果的なOJTへと改善することができます。

また、定期的なフィードバックの機会を設けることで、OJTトレーナーと新入社員のコミュニケーションも活発になります。

新入社員が質問や相談をしやすい環境を整えることは、良好な人間関係の構築や実務面でのフォローアップにもつながります。

効果的なOJTに。人事評価システム「P-TH/P-TH+」

OJTを効果的に運用するためには、単に現場で指導を行うだけでなく、OJTを正式な業務として位置づけ、育成の目標や到達基準を明確にすることが大切です。

新入社員がどのようなスキルや状態に到達することを目指すのかを言語化し、その達成度をきちんと評価することで、育成の質を高めることができます。

また、新入社員の業務内容や進捗状況を把握しながら、定期的に振り返りやフィードバックを行うことも欠かせません。

OJTを継続的に管理するためにも、仕組みとして支えるツールの活用が効果的です。

今回おすすめするのは、慣れ親しんだExcelの評価シートをそのままシステム化できる人事評価システム「P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)」。

P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)は、集計や一覧表の作成など評価業務の中でも時間のかかる業務を効率化するだけでなく、標準搭載された『1on1機能』を活用することで、上司と部下の定期的なコミュニケーションとフィードバックの機会を設けることができます。

1on1ミーティングを通じて、新入社員の業務の進捗や課題、心理的な不安などを早期に把握できるため、OJTの中で発生する問題にも迅速に対応することが可能となります。

結果として、新入社員の成長を継続的にサポートでき、より効果的なOJT運用につながります。

人材育成の仕組みを整えたい企業や、OJTの運用をよりスムーズに進めたい企業にとって、「P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)」は心強いサポートツールといえるでしょう。

まとめ

「OJT(On-the-Job Training/オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」は、上司や先輩社員がトレーナーとなり、実際の業務を通じて新入社員や若手社員を育成する人材教育の手法です。

現場で実践しながらスキルを習得できるため、即戦力となる人材を効率的に育成できます。

さらに、OJTは、新入社員のスキル習得だけでなく、職場のコミュニケーションの活性化や、OJTトレーナー自身の指導力・マネジメント力の向上といったメリットもあります。

効果的に運用するためには、組織として育成方針を明確にし、トレーナーのサポート体制を整え、定期的な振り返りとフィードバックを行うことが重要です。

また、進捗管理や評価、1on1ミーティングなどの仕組みを取り入れることで、新入社員の成長をより継続的に支援することができます。

自社の育成環境を見直しながら、OJTとOff-JTをバランスよく活用し、効果的な人材育成につなげていきましょう。

株式会社サクセスボード 萱野 聡<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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