
変化が激しく、複雑な課題に向き合う現代のビジネス環境では、一人のリーダーだけで組織をけん引するのではなく、メンバーそれぞれの知識や経験、強みを生かしながらチーム全体で成果を生み出すことが求められています。
そして今、組織の柔軟性や創造性、変化への対応力を高める手法として、「シェアド・リーダーシップ」への注目が高まっています。
しかし、
「具体的にどのような考え方なのか?」
「従来のリーダーシップとは何が違うのか?」
「どのように組織へ取り入れればよいのか?」
と、疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
そこで、こちらの記事では、シェアド・リーダーシップの意味や特徴をはじめ、注目されている背景やチームにもたらすメリット、組織で実現させるためのポイントまで、わかりやすく解説します。
チームの主体性を高めたい、メンバー一人ひとりが自ら考えて行動できる組織をつくりたいとお考えの管理職の方、人事担当者の方は参考にしてください。
シェアド・リーダーシップ とは

リーダーシップとは、組織やチームが目標を達成できるように周囲へ働きかけ、望ましい方向へ導く行動や影響力のことです。
リーダーのみが持つものではなく、役職に関係なく誰もが発揮できるものと考えられています。
そして、「シェアド・リーダーシップ」とは、リーダーシップが特定の一人に集中するのではなく、状況や専門性に応じてメンバー同士で発揮され、互いに影響を与え合っている状態を指します。
たとえば、企画立案では、企画力のあるメンバーが議論をリードし、技術的な課題では専門知識を持つメンバーが意思決定を後押しするなど、その時々で適した人がリーダーシップを発揮します。
このように、特定の一人だけにリーダーシップが集中するのではなく、メンバー全員が意見を出し合い、協力しながら目標達成を目指すことが特徴です。
リーダーシップがチーム内で共有・分散された状態になることで、より多くのアイデアが生まれ、複雑な課題にも柔軟に対応できる組織づくりにつながります。
ただし、シェアド・リーダーシップは万能ではありません。
役割分担や責任の所在が曖昧になったり、合議に時間がかかって意思決定が遅くなったりすることがあります。
また、発言力のあるメンバーだけが実質的なリーダーとして影響力を持ち、かえって意見が偏ってしまうケースも見られます。
こうしたリスクを避けるためにも、役割や責任を明確にしたうえで、チームの状況や業務の性質に合わせて取り入れることが大切です。
シェアド・リーダーシップが注目されている背景
シェアド・リーダーシップが注目されている背景には、ビジネス環境が急速に変化し、一人のリーダーだけで適切な意思決定を行うことが難しくなっていることが挙げられます。
市場環境が複雑化し、顧客ニーズの変化も激しい現代では、多様な知識や経験を持つメンバーが協力しながら課題を解決することが求められるようになりました。
また、リモートワークやハイブリッドワークの普及など、働き方や価値観の多様化により、メンバー一人ひとりが主体的に考え、行動しながらチーム全体で成果を生み出す組織づくりへの重要性も高まっています。
こうした状況のなかでは、管理職やリーダー一人に権限や責任、意思決定を集中させるマネジメントは限界を迎えつつあります。
そのため、メンバーそれぞれの知識や経験、専門性を生かしながら、状況に応じてリーダーシップを発揮する「シェアド・リーダーシップ」が注目されるようになりました。
従来のリーダーシップでは、管理職や特定のリーダーが意思決定や指示を行い、メンバーがそれに従う「垂直型」の形をとります。
一方、シェアド・リーダーシップは、状況に応じてメンバー同士でリーダシップを分け合う「水平型」であり、リーダーシップを発揮する人が固定されない点に大きな違いがあります。
このような考え方は、組織の柔軟性や創造性を高めるだけでなく、変化への対応力を強化するマネジメントとして、多くの企業で関心を集めています。
シェアド・リーダーシップのメリット

ここからは、チーム内にリーダーシップが分散した状態をつくることで得られるメリットについて、一つずつみていきます。
メンバーの主体性を引き出せる
シェアド・リーダーシップでは、管理職や特定のリーダーにのみリーダーシップを任せるのではなく、メンバーそれぞれが状況や専門性に応じてリーダーシップを発揮し、意思決定や課題解決に主体的に関わります。
そのため、「指示を待つ」のではなく、「自ら考え、行動する」意識が育ちやすくなるというメリットがあります。
また、自分の意見や行動がチームの成果につながることを実感しやすくなるため、当事者意識や責任感の向上も期待できます。
その結果、メンバーの主体性が高まり、一人ひとりが自律的に行動できる組織づくりにつながります。
チームの環境変化への対応力が高まる
ビジネス環境が急速に変化する現代では、一人のリーダーだけですべての状況を把握し、迅速に判断し続けることは容易ではありません。
シェアド・リーダーシップでは、現場に近いメンバーが状況や専門性に応じてリーダーシップを発揮し、主体的に判断・行動できるため、変化への対応スピードを高めることができます。
また、特定の人物にリーダーシップや判断が集中しにくくなることで、組織全体が柔軟に課題へ対応することができます。
変化の激しい市場環境において、持続的に成果を生み出せるチームづくりに寄与します。
多様なアイデアが生まれやすくなる
シェアド・リーダーシップは、役職や立場に関係なく、メンバー一人ひとりが状況や専門性に応じてリーダーシップを発揮します。
そのため、多様な意見やアイデアを出しやすい環境をつくれることが大きなメリットです。
異なる経験や専門知識を持つメンバーが積極的に意見を出し合うことで、多角的な視点から課題を捉えられるようになります。
その結果、従来では思いつかなかった新たな発想や解決策が生まれやすくなり、組織の創造性の向上にもつながります。
また、変化する顧客ニーズやビジネス環境にも柔軟に対応しやすくなるため、新しい商品やサービス、業務改善につながるイノベーションの創出も期待できます。
シェアド・リーダーシップを実現する方法
シェアド・リーダーシップを機能させるためには、組織全体で環境や仕組みを整えることが重要です。
こちらでは、シェアド・リーダーシップを実現するための方法についてご紹介します。
管理職が権限を委ね、判断の土台を整える
シェアド・リーダーシップは、「管理職が不要になる」という考え方ではありません。
むしろ管理職には、メンバーが自ら判断できるように権限を委ねることや、判断の前提となる情報を開示することなど、これまで以上に高度なマネジメントが求められます。
会議では発言の機会を意図的に設計し、誰がどこまで責任を持つのかという範囲を明確に示すことも、管理職の重要な役割です。
「指示を出す」役割から、「メンバー一人ひとりがリーダーシップを発揮できる環境を整える」役割に関わり方を変えていくことが、シェアド・リーダーシップを実現する出発点になります。
組織の心理的安全性を高める
シェアド・リーダーシップを機能させるためには、メンバー一人ひとりが安心して意見や提案を発信できる環境づくりが欠かせません。
意見を述べたことで否定されたり、人事評価への影響を心配したりするような環境では、主体的な行動やリーダーシップは発揮されにくくなります。
そのため、役職や立場に関係なくメンバー一人ひとりの意見を尊重し、積極的に発言できる組織文化を育てることが大切です。
また、失敗を一方的に責めるのではなく、改善や学びにつなげる姿勢を組織全体で共有することも、心理的安全性の向上につながります。
心理的安全性が高まることで、メンバー同士が積極的に意見を交わし、協力しながら状況に応じてリーダーシップを発揮しやすくなります。
定期的な対話の機会を設ける
シェアド・リーダーシップを実現するためには、メンバー同士が日頃から情報や考えを共有し、気軽に意見を交わせる環境を整えることが重要です。
十分なコミュニケーションが取れていない組織では、お互いの考えや状況を理解しにくく、状況に応じたリーダーシップを発揮することも難しくなります。
そのため、定例ミーティングや1on1ミーティング、フィードバックの時間を有効活用し、課題やアイデアを共有できる場をつくりましょう。
継続的な対話を重ねることで、メンバー同士の相互理解や信頼関係が深まり、状況に応じて主体的にリーダーシップを発揮しやすい組織づくりにつながります。
シェアド・リーダーシップを支える、
人事評価システム「P-TH/P-TH+」
シェアド・リーダーシップを実現するためには、メンバー一人ひとりの主体的な行動や挑戦を適切に評価できる仕組みが欠かせません。
そして、シェアド・リーダーシップを一時的な取り組みで終わらせず、組織に定着させるためには、評価項目や目標管理、1on1、人材育成の仕組みそのものを、メンバーの主体的な行動を後押しする形に整えることが求められます。
加えて、人事評価に関する一覧表の作成や集計業務などにかかる管理職やマネージャーの負担を軽減し、チームメンバーとの対話や育成に時間を確保することも重要です。
そこでおすすめなのが、慣れ親しんだExcelの評価シートをそのままシステム化できる人事評価システム「P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)」。
P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)は、人事評価システム導入に伴うシートやフローの変更の必要がありません。
人事評価に特化したシンプルなシステムで操作方法もほぼExcelのままなので、導入時に従業員からの問い合わせも最小限におさえられます。
また、煩雑になりがちな評価シートのファイル管理が無くなり、人事評価の進捗管理もリアルタイムで確認できるため、メールの誤送信や評価シートの紛失、期日までの評価漏れといった運用ミスも防ぐことができます。
評価業務の効率化により、管理職の業務負担を軽減し、より質の高いマネジメントを実現します。
また、P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)に標準搭載されている『1on1機能』を活用すれば、面談内容や目標の進捗を共有しながら、有意義な1on1ミーティングを実施することも可能です。
メンバーの主体性を引き出し、自律的な組織づくりを目指す企業にとって、P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)は有効な選択肢の一つといえるでしょう。
まとめ
シェアド・リーダーシップとは、特定の一人だけがリーダーシップを発揮するのではなく、メンバー一人ひとりが状況や専門性に応じてリーダーシップを発揮し、互いに影響を与え合う状態のことを指します。
シェアド・リーダーシップを実現するためには、心理的安全性を高めることや継続的な対話の機会を設けることなど、メンバーそれぞれが主体的にリーダーシップを発揮できる環境を整えることが欠かせません。
管理職だけに頼るのではなく、メンバー全員が互いに力を発揮し合える環境をつくり、自社の課題や組織の状況に合わせながら、シェアド・リーダーシップを実現させていくと良いでしょう。
<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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- チームビルディング



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