アンコンシャスバイアスの具体例|職場でよくある事例、企業にもたらす影響と対処法について

 2026.09.09  AJS株式会社

アンコンシャスバイアス具体例1

 

「公平な人事評価を重視しているはずなのに、社員の納得感に差がある」「ダイバーシティ推進に取り組んでいるものの、組織の風土がなかなか変わらない」
「新しいアイデアや意見が出にくく、組織の活性化につながっていない」

こうした課題の背景には、「アンコンシャス・バイアス」があるかもしれません。

アンコンシャス・バイアスとは、無意識のうちに持っている思い込みや偏見を指します。

悪意や差別意識がなくても、“相手のためを思って”という配慮や善意から生まれることもあり、採用、人事評価、日常のコミュニケーションなど、さまざまな場面で影響を及ぼす可能性があります。

そこで、こちらの記事では、職場でよくあるアンコンシャス・バイアスの具体例をはじめ、企業にもたらす影響や対処法について解説します。

アンコンシャス・バイアスへの理解を深め、公平で働きやすい職場づくりにお役立てください。

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 アンコンシャス・バイアスとは 

アンコンシャスバイアス具体例2

アンコンシャス・バイアスとは、自分では気付いていない「ものの見方や捉え方のゆがみや偏り」のことをいいます。

自分自身では意識しづらく、ゆがみや偏りがあるとは認識していないため、“無意識の偏見”とも呼ばれています。

人は皆、育った環境や経験、文化、教育など、これまでに積み重ねてきた経験や知識をもとに、性別や年齢、学歴といった特定の情報や状況に対して、偏った見方や判断をする傾向があります。

アンコンシャス・バイアスは誰にでもあるもので、それ自体が悪いというわけではありません。

しかし、本人に自覚がないからこそ、アンコンシャス・バイアスによって、知らず知らずのうちに相手を傷つけたり、自分や他人の選択肢や可能性を狭めたり、人間関係に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。

大切なのは、その存在に気づき、言動に影響していないかを意識することです。

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 職場におけるアンコンシャス・バイアスの具体例  

アンコンシャスバイアス具体例3

アンコンシャス・バイアスは、悪意や差別意識から生まれるものとは限りません。

本人は「相手のためを思って」「配慮しているつもり」で判断しているケースも多く、自覚のないまま言動や意思決定に表れてしまうこともあります。

たとえば、『育児中だから責任の重い仕事は任せないほうがよい』『若手だからまだ重要な仕事は難しいだろう』といった考えも、相手の意思や能力を確認せずに機会を制限してしまうアンコンシャス・バイアスの一例です。

企業では、性別や年齢、経歴などの属性にとらわれず、誰もが平等に挑戦や成長の機会を得られる環境を整え、最終的な選択はその人の意思に委ねる姿勢が重要です。

ここでは、職場でよく見られるアンコンシャス・バイアスの具体例を、切り口ごとに見ていきましょう。

ちなみに、実際の職場では、アンコンシャス・バイアスは一つだけで生じるとは限りません。

性別・年齢・学歴・役職・家庭環境など、複数の思い込みが重なって判断に影響を与えるケースもあり、『高学歴の女性は気が強そう』など、複数の属性に対する先入観が組み合わさることで、本人の能力や意欲とは関係のない評価につながってしまうことがあります。 

 性別によるアンコンシャス・バイアス 

性別のアンコンシャス・バイアスの具体例は、役割の固定化につながるものばかりです。

悪意がなくても、『女性には配慮したほうがよい』『男性だからこうあるべき』といった思い込みや一言が本人のキャリアの選択肢を狭めてしまうことも少なくありません。

・女性はお茶出しや議事録作成などのサポート業務を担当するものだと思う
・重要な商談や営業は男性のほうが向いていると思う
・管理職やリーダーは男性のほうが適任だと思う
・女性は家庭との両立が大変だから、管理職や責任ある仕事は勧めないほうが本人のためだと思う
・男性は育児休業を長期間取得しないほうがよいと思う

 年齢によるアンコンシャス・バイアス 

年齢を理由に能力や適性を決めつけることも、アンコンシャス・バイアスの一例です。

経験やスキルには個人差があるにもかかわらず、年齢だけで判断してしまうと、適切な人材配置や育成の機会を損なう可能性があります。

・若手社員なのでまだ重要な仕事は任せられないと思う
・年配社員はITやデジタルツールが苦手だと思い込む
・若い人は責任感が低いと思う
・管理職は一定以上の年齢であるべきだと思う
・ベテラン社員は新しい考え方を受け入れられないと思う

 経歴・学歴によるアンコンシャス・バイアス

経歴・学歴のアンコンシャス・バイアスは、採用や人材配置の場面でよく見られます。

しかし、実際の能力や適性は経歴・学歴だけで測ることはできません。

相手のラベルだけで判断していないか、立ち止まって考えてみることが大切です。

・有名大学出身者のほうが仕事ができると思う
・転職回数が多い人は長続きしないと思う
・営業経験者なら誰でも営業が得意だと思う
・育児や介護でブランクがある人は能力が落ちていると思う
・異業種出身者は即戦力にならないと思う

 自身の価値観・働き方によるアンコンシャス・バイアス 

自分にとっての“当たり前”を基準に相手を判断してしまうことも、アンコンシャス・バイアスの代表例です。

働き方や価値観は人それぞれ異なるため、自分の考え方だけが正しいものと捉えると、多様な人材が活躍しにくい職場になってしまう恐れがあります。

・残業する人ほど仕事熱心だと思う
・対面で働くほうが成果を出せると思う
・飲み会に参加しない人は協調性がないと思う
・早く出社する人ほど評価されるべきだと思う
・自分と同じ仕事の進め方が正しいと思う

 アンコンシャス・バイアスが企業にもたらす影響 

アンコンシャス・バイアスは、個人同士の人間関係の問題にとどまりません。

こちらでは、アンコンシャス・バイアスが企業にもたらす影響について解説します。

 公平な採用・人事評価ができなくなる 

アンコンシャス・バイアスがあると、履歴書の氏名や性別、年齢、学歴、写真などの情報や、面接官・評価者自身の経験や価値観によって、候補者や従業員を無意識のうちに偏って評価してしまうことがあります。

その結果、本来重視すべき能力や成果ではなく、性別や年齢、学歴などの属性や先入観によって採用や人事評価が左右される恐れがあります。

また、能力や適性に基づいた採用・配置・昇進が行われにくくなり、公平な人事評価制度の運用が難しくなる可能性もあります。

 従業員のモチベーションやエンゲージメントが低下する 

アンコンシャス・バイアスによって、自分の意見が軽視されたり、公平な評価や成長の機会が得られなかったりすると、従業員は『正当に評価されていない』『自分の能力を発揮できない』と感じるようになることがあります。

そうした不満が積み重なると、仕事への意欲や組織への帰属意識が薄れていき、従業員のエンゲージメントの低下や、離職につながることも考えられます。

 企業全体の生産性が低下する 

特定の従業員だけに重要な仕事や成長の機会が与えられたり、一方で、能力や適性があるにもかかわらず十分に力を発揮できない従業員が生まれたりすると、最適な人材配置ができません。

そして、多様な意見や視点が活かされにくい職場では、新しいアイデアや業務改善の提案も出てこなくなってしまいます。

アンコンシャス・バイアスは、組織のパフォーマンス低下、ひいては企業全体の生産性の低下を招く恐れがあります。

 アンコンシャス・バイアスを減らすための対処法 

最後に、アンコンシャス・バイアスを減らすために企業ができる取り組みをご紹介します。

 研修(トレーニング)を実施する 

アンコンシャス・バイアスを減らすためには、従業員一人ひとりがアンコンシャス・バイアスについて正しく理解することが大切です。

そこで効果的なのが、座学やロールプレイングといった研修(トレーニング)の実施。

とくに、採用や人事評価に関わる管理職や人事担当者の言動は、従業員のキャリアに直接影響を与えるため、管理職・人事担当者向けの研修もあわせて実施すると良いでしょう。

また、一度の研修だけで終わらせるのではなく、定期的なワークショップや勉強会、社内報での情報発信などを通じて、組織全体の意識向上を図ることも重要です。

社内だけでなく、外部講師によるセミナーや研修資料を活用すれば、客観的かつ体系的な知識を身に付けられ、アンコンシャス・バイアスへの理解をより深めることができます。

 自社の状況をアンケートや1on1で把握する 

アンコンシャス・バイアスの対策には、「自社でどのようなアンコンシャス・バイアスが存在しているのか」の把握も欠かせません。

アンコンシャス・バイアスの具体例を示しながら、自分に当てはまるかどうかのアンケートを実施することで、従業員が自分自身の無意識の思い込みに気付くきっかけとなります。

また、アンケートだけでは把握できない課題や、自社で実際に起きている問題、今後起こり得るトラブルを早期に把握するために、従業員との話し合いの場を設けることも有効です。

定期的な1on1ミーティングや面談を通じて、業務上の悩みや評価に対する考え、職場で感じている違和感など、従業員の声を拾い上げることで、アンコンシャス・バイアスの具体的な課題や対策を見つけやすくなるでしょう。

※1on1ミーティングを行う側にアンコンシャス・バイアスがある可能性もあるため、研修で理解を深めたうえで実施するのがおすすめです。

公正な人事評価と従業員のコミュニケーションに。人事評価システム「P-TH/P-TH+」 

アンコンシャス・バイアスを減らすためには、評価者や管理職がアンコンシャス・バイアスについて正しく理解し、自身の思い込みや先入観を意識したうえで、公正な人事評価を行うことが重要です。

そのうえで、人事評価制度を適切に運用するとともに、日頃から従業員とのコミュニケーションを活性化し、多様な価値観を尊重できる組織づくりを進める必要があります。

そこでおすすめしたいのが、人事評価システム「P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)」

P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)は、慣れ親しんだExcelの評価シートをそのままシステム化できるのが特徴です。

評価シートやフローを変えることなく導入でき、評価データの蓄積・分析はもちろん、手間のかかる評価の進捗管理や一覧表の作成・集計が自動化できるため、従業員と向き合う時間を捻出することができます。

また、評価データ・評価進捗が可視化されることで、評価者自身が自分の評価のクセや偏りを振り返るきっかけにもなります。

他にも、P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)には「1on1機能」が標準搭載されています。

ミーティングの記録を残せるテンプレートや、実施時間や満足度を分析できる機能があるので、部下の成長や課題の把握、チームのパフォーマンスの評価も客観的にできます。

P-TH/P-TH+(ピース/ピースプラス)は、人事評価制度の適切な運用と、従業員との日常的なコミュニケーションを両立できるため、公正な評価と多様な価値観を尊重できる組織づくりを目指す企業に有効といえるでしょう。

 まとめ  

アンコンシャス・バイアスは、誰もが無意識のうちに持っています。

重要なのは、アンコンシャス・バイアスを持たないことではなく、自分自身の思い込みや固定観念に気付き、日々の言動や意思決定を見直そうとする姿勢を持つことです。

また、企業には、従業員一人ひとりがアンコンシャス・バイアスへの理解を深め、公平な評価や成長機会を得られる環境を整えることが求められます。

誰もが安心して意見を発信し、能力を発揮できる職場づくりを進めることが、従業員エンゲージメントの向上や企業の持続的な成長につながるでしょう。

株式会社サクセスボード 萱野 聡<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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