テレワークの評価は難しい?その課題と対策について解説

 2022.01.05  AJS株式会社

テレワークを導入した企業が抱える課題の1つに、働き方が見えない中での適切な人事評価の方法が挙げられます。成果の見えにくい職種など、従来の方法では評価しきれない場面も出てくるでしょう。またコロナ禍に急なテレワーク対応を実施した場合、追って周辺環境の整備が必要です。本記事では、テレワークにおける人事評価の課題や対策について紹介します。

そもそもテレワークとは

テレワークとは、「tele」(遠く離れたところ)と、「work」(働く)を合わせた言葉で、時間や場所にとらわれない働き方を指します。情報通信技術(ICT)の発達により、インターネット環境があればパソコンやモバイル端末を使って仕事ができ、柔軟なワークスタイルとしてひろく採用されるようになりました。

近年は、新型コロナウイルスの感染予防策として多くの企業で在宅勤務が採用され、テレワークという働き方がより浸透しています。しかし、テレワーク自体はすでに1980年代半ばには企業に導入され、その後現在の一般社団法人テレワーク協会が普及を推し進めるなど官民一体となって取り組むかたちとなりました。

「テレワーク=在宅勤務」と認識されがちですが、それ以外にも働く場所は多様化し、モバイルワーク、サテライトオフィスやコワーキングスペース、ワーケーションなどの就業スタイルがあります。移動中の電車や新幹線で、外勤中の空き時間にカフェや図書館などでノートパソコンやタブレット端末を使って働く姿を目にする機会も増えています。自宅に家族がいるなどの理由で仕事ができない場合、企業のサテライトオフィスやコワーキングスペースに出向き働くケースも少なくありません。在宅勤務を含めたこれらの働き方を総合して、テレワークと呼んでいるのです。

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テレワークにおける評価が難しい理由

オフィス勤務と異なりテレワークでは、一人ひとりの就労状況を見て確認することができません。自宅をはじめさまざまな場所で勤務することが基本のため、従来のように対面でやり取りする機会が減り、コミュニケーション自体も取りづらくなります。

人事評価の評価者である上司が苦慮する点は、テレワークでは直接部下の様子を見られないことです。成果主義でなく業務プロセスを重視する場合、人事評価においての評価基準となる情報が得られず、今までとは異なる視点が求められることになります。テレワークでは、一人ひとりの勤務態度を対等に把握するのが難しく、部下同士で不公平感が生じないよう、どのように正しく評価すべきかで悩む管理者が多いのは当然と言えるでしょう。

そもそも、従来の人事評価制度自体がオフィス勤務を前提としたものである以上、齟齬が生じてしまう可能性は大いにあります。テレワークを導入するからには、評価基準をテレワークに応じたものに見直す必要があるでしょう。テレワークなど柔軟な働き方を見据えた制度へと再構築し、評価する側と評価される側の認識を統一しておくことが必要です。

テレワークにおける評価の課題

テレワークにおける人事評価では実際にどのような課題が山積しているのでしょうか。ここでは、評価の課題について大きく5つを挙げ、詳しく解説します。

勤務時間の把握

オフィス出社であれば、タイムカードやICカードによる勤怠管理を使用して出勤・退勤時間を正確に記録できますが、テレワークではそれが困難です。就業時間を各自で記録するにしても、実際に就労しているかを確かめる術がないのが現状です。また、テレワークの場合、定時に関係なく長時間働いたり深夜に作業したりするケースも見受けられます。テレワークでは、各自の勤怠管理ができないため、実際にどの程度働いたのかを正しく把握することが難しいものです。

また、遅刻や残業などの定義も判然としません。規定の労働時間をこなせばよいのか、テレワークでも始業と終業時間を定めるのか、勤務時間の管理を徹底させる必要があります。特に、介護や育児でテレワーク勤務に移行した場合、一時的な離席や不在の時間をどう調整するのかも悩ましいところです。

勤務態度の確認

オフィスであれば、同じ空間で一緒に仕事をしていれば勤務中の態度についても逐一確認しやすいでしょう。業務に取り組む姿勢や、チームとの協調性、言葉遣いや服装など、細かくチェックすることはできますが、テレワークではそれらの確認ができません。ただし、テレワーク下での服装規定にどんな意味があるのかと考える従業員もいます。従来の人事評価では、成果とともに勤務態度も考慮されますが、テレワーク導入後は、今までとは同じ要素と評価基準が通用しないことに難しさを感じている管理者が増えつつあるようです。

コミュニケーションの機会確保

オフィスでなら些細なことでも気軽に尋ねられる雰囲気がありますが、テレワークでは対面で話すことができないため、上司や部下、またはチーム同士でのコミュニケーションが取りづらくなります。コミュニケーション不足による認識のすれ違いは、業務に支障を与える恐れも生じるでしょう。加えて従業員とのコミュニケーションが減ると、人事評価の中の「協調性・リーダーシップ」などの要素も判断しにくくなります。

前述の勤務態度の把握もしづらく、評価する側のコミュニケーションも取りづらいため、正しい情報が入手できず評価プロセスに影響が出ることも考えられます。このように、コミュニケーション不足によって、業務のクオリティ低下や、人事評価の正当性が失われかねません。

従業員のモチベーション維持

人事評価は、従業員を公正に評価して能力に応じた適正配置や昇給など、人事考課に活用するものです。そのほか、従業員の努力を尊重してモチベーションを維持し、さらには企業の業績向上につなげるなどの種々の目的があります。

テレワーク環境下で、管理者である上司の目が届いていないと、従業員たちは「適切な評価をしてもらえないのでは?」という不満を感じることもあります。「上司に見えない場所で真面目に業務に取り組んでも、正しく評価されない」と思われてしまえば、モチベーション低下につながることも十分考えられます。このような状況を防ぐために、「従業員が納得の行く方法でどのように評価するのか」は、企業にとって大きな課題と言えるでしょう。

評価基準の設定

オフィスワークとテレワークとでは評価する観点が異なるため、従来の基準を当てはめて人事評価を行うことは極めて難しいでしょう。例えば、オフィス型勤務を続ける従業員と、テレワークに移行した従業員を、同じ評価基準で査定するのでは不公平感を生じさせる原因にもなります。これらの評価基準を曖昧にしたままでは評価者によって大きく評価が分かれ、評価にばらつきが出る可能性もあります。時代の流れとともに、人事評価の基準設定そのものを改めて検討する時期にきているのです。ただそのことを理解しつつも、どのように改めてよいか答えが見つからず試行錯誤している企業もあるようです。

テレワークにおける評価の課題への対策

テレワークに対する人事評価の課題は、さまざまなものがあります。このほか、業種や職種、職位の違いなどでさらに課題は多岐に渡るでしょう。働き方が多様化する企業において、これらの人事評価システムの課題への対策が急務です。ここでは、課題解決に結びつく対策や役立つツールについて説明します。

目標管理制度の採用

売上や契約件数のように数値化して評価できない業務に携わる場合、組織目標と並行して「目標管理制度(MBO)」を採用する方法があります。全社的に掲げる目標とは異なり、個人で策定した目標に対して達成率を客観視することで、適切な評価を可能とするものです。

過去の経験や実績から今期の目標を定め、目標達成に向けて実行し、実現できるよう上司が適時サポートします。目標の立案や設定、定期的な面談などで、上司と部下とのコミュニケーションの機会も増え人事評価の判断材料も増えるでしょう。無理のない目標を設定したことで、業務に迷いなく取り組め、モチベーションを維持しつつ、本人の納得の行く公正な評価にもつながります。

評価項目・方法の明確化・共有化

テレワークでは一人ひとりの就労の様子が見えにくいことから、従来の人事評価で参考にしていた情報が得にくいものです。コミュニケーションが希薄になれば、ほとんど実情を把握できないケースもあり、評価基準が揺れる原因にもなります。このままでは、従業員もテレワークでは能力を発揮できないと感じたり、どんなにがんばって認めてもらえないと不満を持ったりするかもしれません。

そこで、人事評価の要素について、テレワークではどのような評価項目や方法を用いるのが適切かを検討することが重要です。テレワークの導入によって、評価項目を見直す、新たに加えるなどして、基準を明確にしておきます。また成果とプロセス、業務態度などの評価バランスについてもあらかじめ定めておくことも大切です。また評価項目や方法を改めた場合には、全従業員に周知徹底をし、評価後に把握していなかったというトラブルが起きないように配慮しておいた方がよいでしょう。

ツール・システムの導入

テレワークという働き方が可能となったのも、情報通信技術(ICT)による通信網や機器、それらを最大限に活かせるシステムやツールなどが登場したからです。テレワークでは、オフィスで利用していたシステムなどをスムーズに使えるよう、各自の環境を整備したり、テレワークでの業務に役立つ新たなツールを導入したりして対応することになります。

多くの場合、オフィス環境と相違なく円滑に業務を進められるように手助けしてくれるシステムやツールを利用することになるでしょう。それらの中には、業務用のツールだけでなく、勤怠管理や人事評価に特化したものもあります。また、テレワークで希薄になりがちなコミュニケーションや情報共有の課題を解決できるシステムやツールも存在します。

テレワークの人事評価に役立つシステムに、AJS株式会社が提供する「P-TH+(ピースプラス)」があります。クラウド版のP-TH+(ピースプラス)は、Microsoft ExcelとWebを連動させることにより、どこからでも簡単に人事評価業務が可能です。評価者はテレワーク環境化でも業務負担が減り、自分の業務により専念できます。

また、これまで使用していたExcelシートをそのまま活かせるため、導入後の社員への定着が早いだけでなく、テレワークで新たに追加した評価項目も簡単に加工でき、情報共有しやすいことで業務の効率化や見える化にもつながります。人事のデータベースとしても有益であり、ひいては更なる人財活用にも役立てることができます。

まとめ

テレワーク環境下では従業員の就労状況が見えず、人事評価する方法に悩む企業も多いようです。従業員への適正な評価を可能とする人事評価システムを導入することが、さまざまな課題を解決する糸口となります。人事評価システム「P-TH/P-TH+」は評価分布を可視化して共有できるため、評価者による偏りを是正し、公平な評価が期待できます。この機会にぜひご検討ください。

株式会社サクセスボード 萱野 聡<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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