人事評価フォーマットをExcelで作成している企業は少なくありません。そこでExcelならではの悩みとしてありがちな「管理が煩雑になってしまう」点を回避するために、押さえておきたいポイントを紹介します。さらにExcel利用のデメリットを解消する人事評価システムP-TH/P-TH+についても紹介します。
エクセルを使った人事評価シート作成のポイント
人事評価シートをExcelで作成・運用している企業は多数あります。評価フォーマットを提供する人事評価システムも存在しますが、自社の運用に合わせて自作したほうが使い勝手が良い、自社独自の人事制度に合わせることができるなどの理由から、大企業でもExcelで運用しているところが少なくありません。
Microsoft Office は多くの企業で導入されておりすぐに使用できることや、インターネット上で無料テンプレートが多数提供されているといった点も、Excelでの人事評価シート運用を後押ししています。
しかし元来が表計算ソフトであるため、そのまま利用すると管理しにくい点もあります。そこで効率よく管理するために、以下のようなポイントを意識した運用をおすすめします。
ファイル名の命名規則を用意する
ファイル名が担当者ごとにばらばらだと、後から探すときに時間がかかってしまいます。ファイル名の付け方を統一し、簡潔にわかりやすく表記することで、情報が見つけやすくなります。紙のファイルであれば探しやすいように背表紙に一定の基準で名前を書くのと一緒で、「これが何のファイルか」がわかる名前を付けるようにしましょう。
- NG例:〇〇(人名)作業_最新人事シート.xlsx
- OK例:2020年度_人事評価_200401.xlsx
最低限の内容がわかるようにして、できるだけ少ない言葉に収めることが大切です。またファイル名はフォルダ内で並び替えるときに重要になるので、意識して付けるようにしたほうがよいでしょう。
「非表示」の使用は控える
Excelには「非表示」という設定があります。非表示にした行または列の内容は見えなくなります。この非表示機能は、設定した本人はどの部分を非表示にしたかがわかりますが、ファイルを受け取った人は非表示にされていることに気づかないことがよくあります。
見られても構わない内容で、単に見栄え上隠しておきたいという場合は、「グループ化」の機能を使うと、隠された部分にプラス(+)マークがつき、わかりやすくなります。できるだけ見られたくない場合は、そのまま非表示機能を使うというように、目的によって使い分けましょう。
エクセルファイルの管理の煩雑さについて
Excelファイルに限ったことではありませんが、大量のファイルを管理する場合にはバージョン管理が大変になります。個人で編集するだけであればファイルのバージョン管理機能を活用することができますが、複数の担当者が作業する前提で、かつファイル管理者が1人になっていない場合は気を付ける必要があります。
誤って他の担当者が数式を削除してしまったり、書式を勝手に変更したり、入力ミスをした状態で上書きしてしまう危険もあり、一度保存されてしまうと元に戻すのは困難です。さらに人事関係のフォルダは一般の担当者がアクセスできない設定になっていることが多く、被評価者(評価される側の社員)が記入したファイルを人事担当者がメールで受け取ってサーバーに保存するというやり方だと、古いファイルを保存してしまうなどのヒューマンエラーが起きる恐れもあります。
また同時に複数の担当者が作業できない点もトラブルの原因になります。Excel 2016からは従来の共有機能が非推奨になり、複数の担当者が同時に同じファイルにアクセスして作業できる共同編集機能が実装されました。しかし作業できる環境に制限があり、またファイルをアップロードする必要があることから広く使われている機能ではないでしょう。
複数の担当者が同時に作業できないことから、サーバー上のファイルを各自のローカル環境にコピーして編集し、最後に全員の変更箇所を統合するという運用をせざるを得ない場合があります。そのときに誤って他担当者の更新内容を上書きしてしまう危険もあります。
このようなことを防ぎながら管理しようとすると、ファイル管理者の負担が大きくなり、本来人事担当者として行うべき業務に支障が出る恐れもあります。
P-TH/P-TH+ならエクセルはそのままに人事評価を効率化!
これらの解決策として考えられるのがExcelでの評価運用をそのままシステム化できる人事評価システムの利用です。一般的な人事評価システムではシステムに自社の運用や評価シートを合わせる必要がありましたが、自社で運用しているExcelをベースに運用できるサービスも登場しています。
AJSが提供する人事評価システムP-TH(ピース)/P-TH+(ピースプラス)では、Excelの利便性はそのままで効率的に活用できる機能が揃っています。オンプレミス版のP-TH、クラウド版のP-TH+があり、自社の環境に合わせて導入環境が選択できるのもメリットのひとつです。
AJSの人事評価支援システム、P-TH/P-TH+とは
P-TH/P-TH+の特徴は、自社の評価制度、評価運用(ワークフロー)・評価シートを変更することなく、今までの環境を活かした形でシステム化できることです。
人事評価システムのほとんどは、既に用意されているワークフローや評価フォーマットに自社の制度・運用を合わせていく必要があります。そのため自社独自のフローがある企業にとっては導入前の変更がハードルになります。
P-TH/P-TH+は、今までの人事評価運用、評価シートをそのままに、WebとExcelを連動する仕様のため、使い慣れたインターフェイスで業務ができるという特徴があります。
Excelで設計・利用している評価シートに対応
被評価者は、今までのExcelや紙の評価シートと同じように入力できるので、社員への特別な教育は不要です。今まで使い慣れた様式をそのまま利用できるだけでなく、クラウド版のP-TH+であればスマホやタブレット端末で簡易入力もできるので、より便利に利用できます。
人事評価エラーが起きにくい
Excelで運用した場合、被評価者が記入した大量のファイルを統合・集計する必要があります。プログラムで集計を自動化することも可能ですが、実際はシステム担当者に相談せずに人事担当者が手作業で行うことがほとんどです。そのため手間や時間がかかるだけでなく、転記モレ、関数の適用範囲間違いといった作業ミスが起きる危険もあります。これらのエラーは意外と発覚しにくいため、数か月後に発覚することもあります。そうなると後から修正するのは非常に大変です。
P-TH/P-TH+であれば、読み込んだ各人事評価シートのExcelファイルを自動で集計し、ボタンひとつで一覧表を作成することも可能です。また、一覧表で修正した内容はそのまま個人の評価シートへも反映されるため、修正作業のミスが発生しにくく、人事担当者の負担軽減ができます。またシステム上に蓄積した過去の評価データを使って、分析などに活用できます。
まとめ
人事評価をExcelで運用するのは手軽で便利ですが、効率性という面では課題も残ります。人事担当者の負担を減らすためには人事評価に特化した専用システムを導入するのもひとつの方法です。
省人化、効率化を目指すのであればP-TH/P-TH+のように、従来の運用方法を変更せずに導入できるサービスもあるため、検討してみることをおすすめします。
<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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