タレントマネジメントとは? 意味や効果、導入手順について解説

 2021.02.10  AJS株式会社

企業による一方向的な経営スタイルから、従業員のモチベーションや志向性が重視されるようになるなど、マネジメント手法にも変化が生まれています。そのうちのひとつがタレントマネジメントの導入です。本記事では、タレントマネジメントおよびそのメリットについて解説します。また、導入にあたり注意すべきポイントなどもご紹介します。

タレントマネジメントとは

ビジネスの成果を最大化させるため、従業員が保有するスキルや才能を最大限に引き出して戦略的な組織編成や人材配置、育成などを行うマネジメント手法を「タレントマネジメント」といいます。「タレント」とは、従業員を意味します。

欧米では1990年ごろから導入が始まり、2000年代に広がりました。日本では、2011年ごろから注目されるようになったと言われています。

従来の人材確保では、いかに優秀な人材を囲い込むかが重視されました。しかし、グローバルなビジネス競争が激しくなるなか、現場ニーズにマッチした人材の採用が求められ、タレントマネジメントが広がったのです。

タレントマネジメントの目的や目標

企業としての成長や事業拡大を目的とし、それに沿った人事領域での一施策としてタレントマネジメントは位置づけられます。企業や事業の成長へ向けて、最適な人材配置や育成を行う施策です。

タレントマネジメントの効果

では具体的にはどういった効果があるのか、ポイントごとに確認してみましょう。

人材情報の見える化

最適な人材配置や育成を行うには、そもそも自社にはどんなスキルや能力を持った人材が所属しているかを把握することが欠かせません。つまり、タレントマネジメントを行う過程で人材情報が可視化され、管理しやすくなります。

従来であれば、各従業員が行った業務に対して、事後的に評価した内容が蓄積されます。しかしタレントマネジメントを通じた人材情報には、氏名や学歴、経歴といったものから、資格や配置、評価結果などパフォーマンスに関わる情報などまでも含まれます。

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最適な人材配置

相応しいポジションへ従業員を配置するには、人材情報を見える化し、社内の人材データによるタレントプールを作成したうえで、それらを経営戦略や人事戦略に紐づけることが必要です。これを通じて最適な人材配置が行え、より大きなビジネス成果を生み出すことにつながります。

最適な人材配置を行うには、従業員の適正ポジションを判断する必要があります。この判断は、企業の経営戦略も把握し、現場も理解している現場のマネージャーが行います。そうすることで、配置の精度が高まるでしょう。

個人の能力に応じた人材育成

人材の配置だけでなく、育成の要素も含むのがタレントマネジメントの特徴です。現場で要求されるスキルや能力に基づき、配置したタレントがより適応できるよう能力開発を行います。もちろん、すぐに適応してもらえる配置がベストではあります。しかし潜在的な能力などから配置を判断することもあり、研修などの育成を通じて、そのポジションで能力を引き出せるようにしていくことも大切です。従業員としても期待されていることがわかりやすいので、より効果的に人材育成を進められるでしょう。

能力に応じた適正な評価

タレントマネジメントの結果、従来と異なるポジションに配属される従業員が出てくることもあります。これは従業員にとっては新しいポジションで成果を出し、より高い評価を得るチャンスです。しかし、中には所属変更に不安を感じる人もいるでしょう。新しいポジションについた従業員がポジティブに業務にあたれるよう、また適正な評価を受けられるよう担保する必要もあります。

そのポジションで必要となるスキルや求められることを踏まえて、タレントマネジメントによる配置は行われます。そのため評価基準も自然と明確化し、適正な評価がしやすくなります。

企業業績や個々の貢献度、従業員のキャリア志向や仕事に対する考え方などは、食い違いが生じやすいものです。それらを上司と部下が1on1のコミュニケーションを通じて定期的にすり合わせることで、評価の適正化が図れるでしょう。

タレントマネジメント成功のポイント

最後に、タレントマネジメントの導入を成功させるポイントを2つご紹介します。

人材管理とタレントマネジメントの違いを理解する

タレントマネジメントの実践にあたっては、その意義をしっかりと理解することが重要です。そのためには、人材管理との違いを整理しておくといいでしょう。両者を混同すると、本来の目的を果たせなかったり、メリットを活かせなかったりします。

人材管理とは、人事情報など人材の情報を管理し蓄積する取り組みで、それを企業の成長や事業拡大に活かすという観点は含まれません。

一方、タレントマネジメントとは人材に関するより幅広い情報を一元管理し、企業や従業員の未来へ活用することです。従って、人材管理のみでは単に情報管理や整理ができているだけで、企業成長につながるとは限りません。従業員それぞれのスキルや能力、マインドなどを「資産」として捉え、それらを自社の成長にどうつなげられるか、という視点が重要です。

導入目的の明確化と必要な情報の定義が重要

どのような成果を得たいか、そのためにどのような人材情報を集めたいか。タレントマネジメントを行おうとする段階で、こうした目的を定めておくことも重要です。企業としての理念やビジョン、ミッションに照らし合わせながらタレントマネジメントを位置づけ、従業員にも浸透させていきます。それにより、マネジメントの目的が実現されるでしょう。

まとめ

タレントマネジメントとは、従業員それぞれの才能やスキルを最大限引き出せるような人材配置や育成を行うことで、企業としても成長できるようにするマネジメント手法です。インターネットが普及し、ビジネス環境や労働への価値観が多様化するなかで注目されています。

タレントマネジメントを導入することで、自社が抱える人材という資産をより高い解像度で把握し、全体から見て最適な人材配置を行うことが可能となります。その結果、企業としても高い競争力を保てるでしょう。

また、従業員を能力に応じて配置するため、評価基準は明確化しやすくなります。本人が納得できる評価を具体的に表示することで、従業員のモチベーションも高まると期待されます。

このようなメリットのあるタレントマネジメントですが、単に導入しただけでは効果を発揮しません。導入目的を明確化し、目的達成のために必要な人材情報を定義することがポイントです。


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