優秀な人材を確保するために必要な採用と育成の施策

 2019.04.15  AJS株式会社

少子高齢化が加速の一途をたどる現在では、雇用状況や働き方を急ピッチで変えるべく、様々な政策が打ち出されています。中でも平成30年に成立された「働き方改革関連法案」は、歴史的な第一歩ともいえるものです。年齢性別に関わらず誰しもが将来に展望を持てるような「一億総活躍社会」を前に、日本人の労働の在り方は大きなターニングポイントを迎えています。

これは、企業にとっても例外ではなく、働き手が減っている現在、人材確保が大きな問題となっています。それらを背景に、ここでは企業において今後更に課題となっていくと考えられる、優秀な人材を確保するために必要な採用と育成の施策について解説します。

ポイントは新卒採用と離職の防止

現在は、就活者にとって有利な「売り手市場」であり、企業は人材不足に悩まされる傾向にあります。例えば、厚生労働省が公表した平成30年10月の「有効求人倍率」は、1.62倍という高い水準でした。

また、平成27年3月に算出された「新規学校卒業就業者の3年目までの離職率」は大卒で31.8%となっています。10人のうち約3人の新卒社員が、早々と退職してしまう計算です。これらにより、企業は新卒採用を根本的に見直すと同時に、これまで以上に人材を定着させる工夫が必要となってきます。ブランド力を高め、事業を拡大していくためには、「人から選ばれる企業」でなくてはなりません。

社会の変化とともに、人々の、特に若い世代における価値観の多様化にも対応していくことが求められる時代なのです。

『月刊人事マネジメント』事例掲載
「人事評価制度見直し」決断する前にやること

新卒採用でよい人材を獲得するための施策

有能で即戦力となるような人材を確保するためには、何よりも企業努力が欠かせません。新卒採用フローには、企業独自の戦略が必要となるでしょう。選考方法は、欲しい人材を見つける「目的」に沿ったものであることが望ましいです。新卒者に任せたい業務が選考過程の時点で具体的にあれば、実際にグループワークなどでその業務に模した課題を与えることなどが考えられます。人事担当以外にも会社のリーダー的なポジションを務めている精鋭達を交え、より実践的な対話や選考を行うことで、求職者に具体的な将来像をイメージさせることが可能になります。

また、選考を自ら離脱していく就活生の中には、優秀な人材がいることは否定できません。彼らは他の企業からも引く手数多であることがほとんどです。よい人材と「対面して話す機会」を増やすためには、思い切って選考を簡略化し、プロセス自体を合理化することも必要となります。その一方でウェブを最大限に活用し、求人広告以外にも専門の採用サイトを設けるなど、多くの情報やメッセージを発信することも大切です。

人材流出を防ぐために企業ができること

人材獲得競争が激化している今、既存社員の流出を防ぎ、定着させることも企業人事の大きなテーマとなっています。そんな中、人材の流出を防ぐ手法として着目されているのが「リテンションマネジメント」というものです。

リテンションとは主にマーケティング分野で「保持・保有」といった意味を持つ言葉で、人事分野では「人材引き留めの施策」を表しています。ニーズが多様化・細分化している現在、社員が会社に求める条件もモノ重視の価値観だけに留まりません。「働きやすさ」や「仕事のやりがい」などの精神的価値に重点を置くケースも多くなっています。人材確保のために企業側が考慮する点としては以下が挙げられます。

  • 労働環境や報酬を見直し、職場内のストレスの軽減に努める
  • 社員同士のコミュニケーションが円滑にとれる職場作りをする
  • 出産・育児・介護などの支援・補助といった福利厚生制度を充実させる
  • 勤務時間・休日・副業の可否等、本人の希望に沿った多様な選択肢を用意する

社員に成長の機会を与え、人材育成に注力する

教育制度や研修制度が充実していると、社員は自らのキャリアを形成しやすくなります。すると新たな目標設定や自己実現に繋がっていくため、定着率も上がると考えられます。社員は自分自身のスキルを磨くことで、仕事に対し積極性を持つようにもなるでしょう。

また、モチベーションを高く保ち続けるためには、仕事の成功体験を多く積ませることが肝心です。それらが社員の賃金アップをもたらし、あるいは勤続年数の長期化に繋がり、人材確保の有効な施策となります。

労働人口が減っていく中、あらゆる企業にとって優秀な人材の確保が経営課題となっています。そのためには新卒採用フローや労働環境を見直し、社内の育成制度を充実させる必要があることを述べてきました。今や就活者が企業を選ぶ時代であることを認識し、多様性を意識した柔軟な職場環境作りを心がけていきたいものです。

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