適材適所とは? 組織で実践すると具体的にどんな効果があるの?

 2021.03.15  AJS株式会社

部下を鼓舞しても、今ひとつチームの成果が上がらない場合には、人材配置を見直してみるべきかもしれません。人材配置のポイントは、「適材適所」です。本記事は、企業の人事担当者や部下を持つマネージャーに向けて、適材適所な人材配置によるメリットや判断に必要な要素を詳しく解説します。

ビジネスにおける適材適所とは

ビジネスにおける「適材適所」とは、人的資源の最適化を実現することです。人的資源とはつまり社員のことですが、事業規模に応じてその数には限りがあり、それぞれの得意分野も異なります。マネジメントのミッションとは第一に「チームの成果を上げること」であり、そのためには限られた資源をいかに有効活用するかという視点が必要です。

部下一人ひとりの能力や個性、適性を正確に把握し、その人がもっとも力を発揮可能な仕事にアサインできるかどうかで、チームのアウトプットは大きく変化します。部下の苦手を克服しようと、あえて不得意な仕事ばかりさせるのは、賢いマネジメントとは言えません。たとえ苦手意識を克服し得るとしても、遂行時間がかかるうえ、もともと得意な人には及ばない可能性が高いためです。

適材適所の効果

適材適所な人材配置は、企業にも大きなメリットをもたらします。具体的には、次の3つの効果が期待されます。まず、「離職率の低下」です。自分の能力とスキルに合った仕事を任され、成果を評価されれば、社員は仕事への充実感を得られます。企業への帰属意識も高まるはずです。次に、「仕事の効率化」にも直結します。自分の強みを十分生かせる仕事を与えられたとき、人はもっともやる気が出ます。自ら仕事を組み立て、改善を行い、短期間で高い成果を上げてくれるようになるでしょう。

最後に、適材適所が徹底されれば、それはやがて「組織の活性化」につながります。個々の成果が上がれば、おのずとチームや部署のアウトプットも向上してくるはずです。仕事への達成感は社員の心に余裕を生み出します。そうなると、意見交換を通じた相乗効果も生まれやすくなり、組織力も高まっていきます。

適材適所を判断するための要素

「適材適所な人材配置」の実現に必要な要素とは何でしょうか。ここからは、適材適所を判断するための要素について説明します。

時間軸

まず、個人の能力を正しく評価するためには、一定以上の時間軸で見ていく必要があります。同じ人でも、入社したての時期と、ある程度の経験を積んだ時期とでは、こなせる仕事の量や質が大きく異なるのです。また仕事内容との相性や、周囲にどんなメンバーがいるかも、仕事のパフォーマンスに影響します。つまり、個人の本質的な能力は、一時的な状況だけでは判断できないということです。人材育成によって潜在能力を開発するという視点も持ち、中長期的なスパンで評価するようにしましょう。

社員の性格や気質

個人の性格や気質といった定性的な要素も重要です。仕事への専門知識や能力がほとんど同じでも、大胆な人と慎重な人では、与えられた同じ仕事に対するアウトプットに差が出る可能性も高いと言えます。適材適所の実現には、当人のキャラクターに適した仕事内容やポジションにアサインするという視点が欠かせません。例えば、専門職として優秀な人が、必ずしも管理職に向いているとは限りません。アンマッチな人材配置は、優秀な人材に自信を失わせ、結果的に離職させてしまうおそれもあります。

個人間の相性

人間である以上、どうしても相性というものもあります。スキルや実績がマッチしていても、そりが合わない上司のいる職場では、十分なパフォーマンスを発揮しにくいものです。組織の仕事は一人で完結できるもののほうが少なく、社員同士のペアリングやマッチングも考慮に入れる必要があります。

また、組織内外にどんな人脈を築いているかも、仕事の遂行能力に大きく影響します。他部門に無理をお願いする場合には、役職を通じたオフィシャルな依頼よりも、個人が持つ属人的なネットワークのほうが効力を発揮することも多いものです。コネクションのある部署や取引先との関係性を踏まえ、その人のネットワークを生かせるポジションに登用することも、適材適所の一方法です。

適材適所の配置を成功させるコツ

最後に、適材適所の配置を成功させるコツを紹介します。具体的には、次の2つのアプローチ方法があることを知っておきましょう。

社員のモチベーションを高める

適材適所を実現するためには、社員一人ひとりに向き合い、それぞれのニーズを理解することが大切です。会社にとって理想的な配置を行えば成果が必ず上がるわけではなく、結局は一人ひとりの働きが肝心です。社員のニーズを満たし、やる気を引き出すことが、適材適所の人材配置を成功させるための第一条件だと言えます。

社員のやる気は、正当な評価やスキルアップ機会の提供などによって引き出されます。また、結婚や出産など、ライフイベントによる個人の価値観変化も考慮に入れる必要があります。プライベートで多忙を極める時期には、必ずしも自分の能力をフルで生かせる仕事が今やりたい仕事であるとは限りません。

責任を持たせるポジションに就かせる

社員のニーズを満たすといっても、中には自分ではやりたいことがわからない社員もいます。実績がなくともポテンシャルを感じる社員には、会社側から責任のあるポジションに抜擢し、自分に求められる役割を自覚させるといいでしょう。責任と貢献が明確である仕事を経験することで、仕事へのプロ意識や責任感が芽生えやすくなります。さらに、そこでの成功体験は次の仕事へ向けた大きな原動力となります。

つまり、適性やニーズに関係なく、与えられたポジションに懸命に取り組むうちに、やがてそこが「自分の適所」と感じられるケースもあるということです。適材適所といっても、すべての社員が自分の強みと弱みを正しく理解しているとも限りません。会社側から社員をポジションに順応させるよう働きかけることも、組織経営には必要です。

まとめ

部下一人ひとりの「強み」を把握し、それを存分に引き出せる環境を整えることが、マネージャーのもっとも重要な仕事です。適材適所な人材配置が実現できれば、限られた人数でも大きな成果を出すことが可能です。適材適所な人材配置には、「個人のニーズを満たす」「会社側から個人をポジションに順応させていく」という2つのやり方があります。

ただし、人材配置を決めるだけでは意味がなく、当然重要なのはその先です。狙い通りに機能しているか、成果を上げているかを常にチェックし、見直していきましょう。

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