福祉関連の転職で押さえるべきポイントとは?

 2021.07.20  AJS株式会社

福祉や介護職への転職を考えている方の中には、「仕事が見つかるのだろうか」「資格がなくても働けるの?」といった不安や疑問を抱く方も少なくないでしょう。本記事では、福祉関連の転職において、押さえておくべき大切なポイントについて解説します。

福祉・介護業界は人手不足

日本の少子高齢化は、大きな社会問題のひとつです。政府が国をあげて働き方改革を推進しているのも、少子高齢化に伴う労働力の減少を懸念しているからです。現在ではさまざまな業界が人手不足といわれており、福祉・介護業界も例外ではありません。

厚生労働省が発表した資料によれば、平成12~30年にかけて介護職員の数は3.5倍に急増しました。要介護認定者数の増加に伴い現場の業務量が増え、介護職員の数も増えたのです。

裏を返せば、介護職に従事するスタッフの需要は高いと考えられます。ただ、現場の負担が以前に比べて大幅に増えたのも事実であるため、現在では多くの介護事業所において、職場改善や従業員へのサポート体制整備に努めています。これらのポイントを踏まえたうえで、自身に有利な転職のプランを立てましょう。
(参照:「介護労働の現状と介護雇用管理改善等計画について」厚生労働省

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職種別で、転職に必要な資格と平均給与を押さえる

介護職にはさまざまな職種が存在します。職種によって業務内容や現場での立場などが大きく異なります。介護業界で働こうと考えているのなら、まずは代表的な職種の特徴や必要な資格、平均給与などを押さえておきましょう。

次からは、福祉・介護職の代表的な職種をピックアップしてご紹介します。業務内容や必要資格、給与などをそれぞれ解説するので、転職活動の参考にしてください。

未経験者は介護職員初任者研修の取得を目指す

もっとも取得しやすい介護系資格のひとつといわれているのが、介護職員初任者研修です。かつてはホームヘルパー2級と呼ばれていた認定資格であり、あらゆる介護系資格の登竜門ともいえる存在です。

全130時間の講義を受講したのち、約60分の試験に合格すれば取得できます。講義を通じて介護の理念や高齢者への接し方も学べ、現場での業務に必要な基本を押さえられます。なお、ハローワークの支援制度を利用すれば受講料が無料となるので、気になる方は確認してみましょう。

勤続年数にもよりますが、月給の目安は27~29万円です。介護業界は人手不足であるため、資格取得者は40代の未経験であっても採用されるケースもあります。

介護福祉士

職種ではなく、介護福祉士の国家資格取得者を指します。介護福祉国家試験を受験し合格すれば取得できますが、受験資格として後述する介護職員実務者研修に合格していなければなりません。詳しく見ていきましょう。

ケアワーカーとの違いに注意

ケアワーカー=介護福祉士、と認識している方が少なくありませんが、実際には異なります。ケアワーカーとは、あらゆる介護従事者を指す言葉です。つまり、介護福祉士や訪問介護員、ケアマネージャーなど、仕事として介護に携わる方は誰もがケアワーカーです。

事務所によって、認識や呼び方が異なるため注意しましょう。介護福祉士をケアワーカーと呼ぶ事務所が実際にあるほか、資格の有無を問わずすべての介護スタッフをこう呼ぶケースもあります。

介護士たちの現場リーダー

介護福祉士は、介護の現場で指導や監督を担当します。業務内容自体は一般の介護スタッフと大きく変わらず、利用者への介護サービス提供や本人、家族へのアドバイスなどを行います。

後述する介護員やホームヘルパーに現場で指示を出し、スムーズに仕事が進むよう指揮監督を行うのも大事な業務です。国家資格取得者であり、高度な専門知識を有するとみなされるため、現場の責任者を任されることも少なくありません。こうした理由から、給与は高くなる傾向があります。

給与

年収は300万円前半から400万円前半になる方が多いといわれています。勤務する事業所によって異なるのはもちろんですが、地域によっても給与は変わるため注意が必要です。基本的には東京をはじめとする関東エリアの給与水準がもっとも高い傾向にあります。

国家資格有資格者として、正社員雇用されるケースが多いのも特徴です。正規雇用により安定した生活をおくれるのは、大きなメリットといえるでしょう。また、資格手当がつくことも多く、無資格のスタッフに比べて5万円ほど給与が高くなることも多いようです。

訪問介護員(ホームヘルパー)

利用者の自宅へ訪問し介護サービスを提供する職業です。一般的にはホームヘルパーと呼ばれることが多く、加齢や障害などにより日常生活に支障をきたしている方を対象に、身体介助や生活援助、通院介助などを行います。

現場では独断で行動するのではなく、介護福祉士の監督下で業務を遂行します。具体的な業務内容としては、排泄や食事の介助、入浴介助などのほか、健康チェックや掃除洗濯、ベッドメイク、買い物代行などが主な業務です。

資格:実務者研修

既出の介護職員初任者研修を修了していれば、ホームヘルパーとして業務に携われます。ただ、有利な条件での転職やキャリアアップを考えているのなら、実務者研修の取得をおすすめします。

実務者研修は、かつてホームヘルパー1級と呼ばれていた資格です。全450時間の講義を受講し、修了すれば取得できます。現場で経験を積みつつ、資格取得を目指しましょう。

なお、先述した介護福祉士の試験を受けるにあたり、実務者研修は必須です。介護福祉士の資格取得も目指すのなら、取得しておきましょう。

給与

介護職員初任者研修のみ取得しているケースでは、年収250万円前後から350万円程度といわれています。やはり、勤務先や地域、経験の有無などにより変動します。

事務所によっては、実務者研修や介護福祉士の有資格者には、手当を付与するケースがあります。金額は事業所によって異なるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

ケアマネジャー

利用者や家族からヒアリングしつつ、ケアプランを作成することが主な業務です。一般的には「ケアマネ」の呼称で知られており、要介護認定の調査にも携わります。

一般介護員や介護福祉士の上位に位置する資格、職種であり、介護サービスを提供するために必要なケアプランは、ケアマネが作成します。現場の介護スタッフがケアプランを勝手に変更するようなことは禁止されており、必ずケアマネへの相談が必要です。

居宅ケアマネと施設ケアマネ

居宅介護支援事業所に勤務する者を居宅ケアマネ、デイサービス施設や老人ホームなどで働く場合には施設ケアマネと呼ばれます。どちらを選ぶかで、作成するケアプランの数が大きく異なります。

居宅では30件ほど、施設ケアマネは100件ほどのケアプランを作成します。数字だけを見ると居宅のほうが楽そうですが、利用者一人ひとりに合わせた適切なプランを作成しなくてはならず、深い知識と豊富な経験が求められます。

資格:介護支援専門員

公的資格の一種です。医療関連の国家資格を有する方で、5年以上900日以上の実務経験があれば、介護支援専門員実務研修受講試験を受けられます。また、生活相談員や支援相談員、相談支援専門員などの職種で、上述した期間の実務経験がある方にも受験資格が与えられます。

試験に合格しただけではケアマネージャーを名乗ることはできません。合格後に介護支援専門員実務研修を受け、終了すればケアマネージャーの資格を得られます。

給与

ケアマネージャーの試験合格率は低く、難関試験に分類できます。介護支援分野や保険医療福祉サービス分野などで、それぞれ70%以上の正答率が求められるため、資格取得難易度は相当高いといえるでしょう。

そのため、ほかの介護職に比べて給与を高めに設定しているケースが多く見受けられます。平均では年収400万円強といわれていますが、それ以上に稼いでいる方も少なくありません。ただ、ケアマネージャーは知識だけでなく経験が求められることも多いため、経験により給与が上下することも多いようです。

転職実践のポイントとは?

転職を成功させるポイントは、自分の経験や目標を明確にすることです。また、転職を成功させるうえでは勤務先選びも重要です。詳しく見ていきましょう。

自分の経験と目標を明確化する

履歴書や職務経歴書の提出、面接などでは、採用側の視点を意識することが大事です。採用側は、目の前にいる人物がどのような人物なのかまったくわかりません。自分のことをよく知ってもらうためにも、志望動機や経験、将来の目標などを明確に伝えましょう。

介護の世界で働きたいという考えにいたった経緯や動機、将来的にどのような資格を取得したいのか、どの職位に就きたいのかなどを、相手にわかりやすく言えるようにしておきましょう。多くの介護事業所では即戦力を求めています。そのため、介護職の経験があるのなら、これまでの積み重ねをきちんと説明することが大切です。

資格所有者なら正社員を狙える

有資格者なら、高度な専門知識や技術を有していると判断されます。即戦力としても期待されるため、正社員採用は十分狙えるでしょう。ケアマネや介護福祉士、介護職員実務者研修などの資格があれば、正社員として転職できるチャンスが広がります。

資格がないのなら、パートやアルバイトで実務の経験を積みつつ、介護職員初任者研修を取得しましょう。資格取得により、さらに上位の資格を目指せます。また、初任者研修だけ修了してから、理想に近い転職先を探すのもひとつの手です。

事務所選びでの注目点

人手不足を解消するため、近年では積極的に職場環境や待遇の改善を行う介護事業所が増えてきました。制度の見直しを推進する企業も少なくありませんが、転職サイトなどで応募先を選ぶときは、以下の2点を意識しましょう。

  • 産休・育休取得実績の表記
  • キャリアパス制度の有無

産休や育休の取得実績を公開している事業所なら、スタッフの職場環境改善に積極的だと考えられます。将来のことを考えるなら、実績がないところは控えたほうがよいでしょう。

キャリアパス制度の有無も大切なポイントです。キャリアパス制度が充実した職場なら、モチベーションを高く保って働くことができ、働きながらスキルや経験も磨けます。その後、より有利な条件での転職も可能となるでしょう。

まとめ

福祉・介護業界は人手不足だからこそ高い需要が見込めます。まずはどのような職種があるのか、職種や資格取得によって給料はどの程度違うのかを把握しましょう。

他の業種と違い、介護職なら40代で未経験も転職は可能です。本記事でお伝えした内容を参考に、理想的な転職を実現させてください。

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