人事評価に不満を持つ従業員が増加。退職や休職を防ぐための対処法

 2022.03.30  AJS株式会社

企業で従業員一人ひとりを公正に評価することは難しいものです。人事評価ではしっかりとした評価がなされないことで、さまざまな問題・課題を生み、結果として退職者・休職者を増やす結果となることも少なくありません。

そこで今回は、人事評価への不満が生まれる原因の詳細を整理したうえで、不満を解消するために必要な改善策や取り組みを紹介していきます。

人事評価に不満を感じる人が多数。その理由とは?

従業員が人事評価に対して多くの不満を抱くようになるのには、どのような理由や原因があると考えられるのでしょうか。深い関係を持つポイントとしては以下のようなことが挙げられます。

頑張っても評価されない

人事評価への不満が生じるきっかけは、頑張っても適切な評価がなされないから…という点がまず挙げられます。真面目に業務に取り組んで、本人が「頑張った」と感じてもそれが評価にわかりやすく反映されないという場合です。

営業の成約件数や売り上げなど、数値化されているものであれば評価もわかりやすくなります。しかしすべての業種・職種が数字で個人の頑張りが把握できるものとは限らず、評価する側からすると、具体的な成果がつかみにくい部分があることは珍しいことではありません。

すると従業員たちの中で、「頑張りと評価が比例しない」「何を目標に頑張れば評価してもらえるのか」という認識が起きてしまい、人事評価への不満を生む結果となります。

上司が公正に評価してくれない

上司次第で評価が変わりやすいことも不満の理由になります。以前の部署では良い評価を受けていたのに、部署異動に伴って上司が変わったら厳しい評価ばかりつけられる、といった例です。評価軸が具体的な基準に則っていない場合、担当した上司の裁量で評価が左右されることも少なくありません。

さらに、どれだけ深い関係を上司と築けているかによっても、評価が変動する可能性があります。上司との関係次第で評価が変わるのは、公正に評価されているとはいえません。

フィードバックに改善点が見いだせない

結果のフィードバックは、人事評価において重要なポイントの一つですが、本来の役割を果たせていないフィードバックが行われていることもあります。

何の改善策にも繋がっていなかったり課題が不明瞭だったりするフィードバックは、人事評価において無視できない問題の一つです。

このような意味をなさないフィードバックが横行していると、従業員はみな「この評価には何の意味があるのだろうか」「ちゃんと従業員一人ひとりを見ているのだろうか」「頑張っても無駄」と感じるようになり人事評価への不満へとつながっていきます。

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人事評価への不満は企業にとってのリスクとなる

人事評価への不満が社内に蔓延していると、それは企業にとってリスクです。従業員の満足度を上げることは企業経営における重要なポイントの一つです。

ここからは、人事評価への不満は具体的にどのようなリスクやデメリットを生むのか、整理していきましょう。

モチベーション・生産性の低下

正当な評価がなされない職場で、モチベーションを常に高く保つことは至難の業です。生産性の高さにおいてももちろん同じことが言えます。

業務に一生懸命取り組もうとしても、「どうせ評価されない」「どれだけ頑張っても結果は決まっている」という心理が先行するため、多くの従業員はやる前からモチベーションが低くなるでしょう。

モチベーションが下がれば結果として一つひとつの作業効率も落ちますし、利益につながる数字も顕著に落ちていくでしょう。

企業がしっかりと利益を向上させ、従業員一人ひとりのやる気をキープしていくためには、人事評価への不満を生まないような制度・ルールを明確に作り上げていくことが必要不可欠となるのです。

休職や退職の増加

人事評価への不満が生まれることが常態化すると、職場全体として離職率はどうしても高まります。従業員それぞれ、もっとホワイトな企業で仕事をしたい、もっと適切な評価をしてくれる職場はあるはずだという思いが強くなり、退職や転職を選択させてしまうのです。離職が増えると残った従業員への業務負荷は高くなり、メンタルヘルスを理由に休職する従業員も多くなるでしょう。

離職率が高まれば、採用コストは高まる一方です。また、ベテラン従業員が少なくなってしまうと、現場は統制が取れず、常に混乱している状態になり、残る社員にしわ寄せがきて…といった負の連鎖につながりかねません。

人事評価への不満を生まないための対策

従業員それぞれの不満を解消するためにはいくつかの対策や、現状の見直し・改善が必要となります。現状のまま放置すれば、従業員の満足度も下がる一方でしょう。会社の業績・生産性に大きく影響が出る可能性を考えて、なるべく早く具体的な取り組みを実施していくことが重要です。

人事評価制度の見直しと研修の導入

最初にやるべきこととして、現在の制度・ルールの見直しは最優先となります。人事評価制度について具体的な決まりがない場合は、マニュアルや規定を整備することから始めていきましょう。必要に応じて人事評価に関する研修を実施することも重要です。

評価項目は従業員それぞれのポジションによって変わってくるのが通常です。そのため誰に対しても適用できるような評価制度・ルールを決めようとすると、弊害が出て、結果として従業員の不満を生む可能性があります。

つまりマニュアル・既定の整備には、職位・職責に合わせた項目を設けることが不可欠となります。このほかにも、所有資格や等級、自社の業種、そしてその従業員が所属する部門によって評価は変わってくることも忘れないようにしましょう。

相対評価と絶対評価はそれぞれにメリット・デメリットがあるため、自社にとってどちらの考えが最適な人事評価となるか、を考えることも必要です。

不満をリスクと捉え早期発見をめざす

人事評価への不満が蔓延してきた場合は、いち早くそのリスクの大きさを認識することも必要です。

従業員全体のモチベーションが落ちている・生産性が上がらない・離職率が高まっている、などの状況に問題を感じたときは、原因の早期発見に努めましょう。部下はどのような点に不満を抱いているのか、上司は細かくヒアリングして理解する必要があります。部下の適性を考えたうえで、配置替えを行うことも積極的に視野に入れていきましょう。

ただ、ヒアリングするとはいっても、質問攻めするような状況では意味がありません。部下が職場の状態をつらいと感じているサインを見逃さず、まずは一つひとつのコミュニケーションを大事にすること、悩みや不満の内容に寄り添っていくことが大切です。

公正公平な評価基準と評価者のスキルのアップ

評価者である上司のスキルアップのための取り組みも大切です。

不満が生まれやすいのは、「評価者の見方・在り方がそもそも間違っていること」が原因である場合も多くあります。

まずは評価基準をきちんと設定し、透明性のある公正公平な評価制度にすること、そして、評価者に対する研修やトレーニング制度について前向きに検討するべきでしょう。研修やトレーニングは定期的に実施して評価者自身のスキルアップを図っていくことも重要となります。

フィードバックと評価が低い人へのフォロー

人事評価への不満を解消するためには、評価が低い従業員へのフォロー体制を強化することも必要です。なぜ評価が低いのか、客観的でわかりやすく、そして具体的な評価の仕組みを本人に説明する機会を設けることは非常に重要です。

ときには上司と部下との間で一対一の面談・ミーティングを実施することも必要になってくるでしょう。距離の近い上司と、ほかの従業員の目を気にせずに意見を交換し合える場は、重要な役割を果たします。

そして評価が低いことに対して、改善を本人のみに丸投げしないことが大切です。今後どのような課題を意識して業務に取り組んでいくのか、具体的な課題や方向性、目標を一緒に考えていくことで、信頼関係を構築するとともに不満をやる気につなげていくことが出来ます。加えて、従業員一人ひとりが自分自身でモチベーションやメンタル管理ができるように、自己管理の能力を高めるための研修や面談等もぜひ大事に整備していきましょう。

まとめ

人事評価への不満の多い企業では、従業員一人ひとりがモチベーション維持に悩むことが多く、生産性も上がらず、最終的には会社の業績に大きく影響を及ぼすこともあります。

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