クラウド人事評価システムで業務改善! 選び方や導入メリットを徹底解説

 2021.02.26  AJS株式会社

この記事ではクラウド型の人事評価システムの概要とその機能、システムを導入するメリットを詳しく解説しています。自社に合ったシステムの選び方、選ぶ時のポイントも併せてご紹介します。

クラウド人事評価システムとは

人事評価システムとは人事評価の個人目標設定から評価、評価結果の集計・分析までの人事評価フローをシステム上で行えるようにするシステムやサービスを指します。システム化することで、被評価者それぞれの目標設定や評価シートなど膨大な人事評価データを一元的に管理して分析することが可能になります。

昨今、人事評価システムはクラウドでのサービス提供が主流になっています。クラウドサービスを利用した場合、自社でサーバーを用意してシステムを一から構築するオンプレミスと比較して、短期間でより少ないコストで始められるのが大きな特徴です。

また、クラウド型のサービスはPCやスマートフォン、タブレットなどマルチデバイスに対応済みであることが多く、外出先での入力や評価が可能になります。また、業務上PCが必要ない業種でも利用できるのも魅力の1つです。

クラウド人事評価システムの主な機能とできること

それでは、クラウド人事評価システムでは、具体的にどんなことができるのでしょうか。ここでは主な機能を紹介します。

人事評価の明確化

人事評価は待遇や給与など人事処遇に関わる内容であることから公平性と透明性は欠かせない要素です。まずは、評価基準を評価対象者に明確に提示しておくことが必要です。基準が不明瞭のままでは、従業員の不満を招きモチベーションを下げる原因にもなります。そこで、人事評価においては、評価基準を職種別・等級別などに分けて可能な限り具体的に設定し、評価対象者がいつでもその内容を確認できるようにすることが望まれます。

これらの評価基準の提示は、従来なら冊子などの形で従業員に配布する形が取られていましたが、大半の人事評価システムには細かく設定した評価項目をスマホなどで閲覧できるような形で従業員に公開する機能が備わっていますので、評価基準の共有がよりしやすくなるのです。

また、システムの利用により、複数の評価担当者間で個別の従業員に関する評価データを共有することがしやすくなります。単独の評価担当者だけではなく、複数の担当者間で評価が行われることによって、評価対象者にも納得してもらいやすいような公平な評価に近づけることができるのです。

こうしてデータが一元化されて共有されることで、個々の従業員に適切なフィードバックを行いやすくなることもポイントです。きめ細かいフォローが可能になり、従業員のモチベーションを高めたり、離職率の改善につなげたりすることが期待できます。

進捗管理・目標管理

従来、紙やExcelで行っていた場合には難しかった人事評価の進捗をリアルタイムに把握することが可能になります。進捗をリアルタイムで可視化することにより、評価期間内にスムーズに評価フローを進めることが可能になります。

他にも、1次評価者→2次評価者→人事部などの手順で進む評価作業手順のワークフローを作成して表示する機能、自己評価と1次評価者、2次評価者の評価内容の合算を自動化して作業を軽減できる機能などもあります。

また、これらクラウド人事評価システムを利用して、従業員個人の目標管理だけではなく、事業所全体の目標を可視化し共有するなどのツールとして応用することもできます。

データ出力

人事評価システムには、登録されたデータの集計結果をCSV形式などの形でエクスポートする機能があります。これによって人事管理や給与システムとのデータ連携はもちろんのこと、人事評価システムで収集したデータをExcelなど他のツールで分析したりすることも可能です。また、データをプリントアウトし、従業員と面談を行う時の参考資料として活用できます。

クラウド人評評価システムの選び方

このように、人事評価システムには多彩な機能があり、従来の人事評価作業を改善したり、合理化したりするために役に立つ機能があります。
数あるクラウド人事評価システムから、自社に最適なシステムを選択する際にチェックしておきたいポイントをここでは紹介します。

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システムの操作性

人事評価システムは基本的にあらゆる従業員が使うことになるシステムです。そのため、ITツールに慣れた従業員も、そうでない従業員も迷わず直感的に利用できるようなインターフェースであること、システムの操作性が快適であることは非常に重要なポイントです。機能性に優れたツールでも、従業員にとって使いにくいものであれば利用は広がりません。

同じような機能を備えたシステムであったとしても、操作性に大きな差がある場合もあります。いざ導入した後に使いにくいことが分かれば、従業員をサポートしたり研修を行ったりなど余分な手間やコストがかかる可能性があります。最悪のケースでは、せっかく導入したシステムが利用されなくなるといった事態になることもあります。

導入を決定する前に、無料トライアルやデモンストレーションを利用し、実際に手を動かして試してみることが大切です。

システムの利用料

一般的に人事評価システムの利用料は従量制やユーザーごとの月額料金などで設定されています。
人事評価システムは、各種のクラウドサービスの中では、扱うデータ量に対して料金設定がやや高めになっている傾向があります。このため、導入コストが導入で得られる効果に対して大きく上回る可能性も否定できません。無料トライアルやデモンストレーションなどを利用する場合には、導入コストが見合うかどうかなど費用対効果の面も常に意識しておきましょう。

自社の導入目的に合致するか

大半のクラウド人事評価システムはパッケージとして提供されており、まれにカスタマイズが可能な製品も存在しますが、基本的には細かいカスタマイズが難しい場合が多くあります。
そのため、パッケージに含まれる既存の機能で自社の人事評価を本当に改善できるか見極めることも必要です。そのためには、まずは自社の人事評価運用にどんな課題があるのかを精査することが大切です。評価者によって評価のバラつきがある、個人の考えや好みが大きく影響し公正な評価がされていない、評価基準が共有されていないなど、企業によってさまざまな課題が考えられます。

それらの課題を洗い出した上で優先順位をつけて、導入を検討している人事評価システムで解決できるかどうか確認してみましょう。解決したい課題について利用できる機能がどの程度備わっているかが見極めのポイントです。

充実したサポートを受けられるか

クラウド人事評価システムを導入してスムーズに使い始められたとしても、あとから不明点は必ずでてくるものです。どのようなシステムを新規導入しても、既存のシステムとの連携などで利用後に不具合が発生することはありえます。

ですから、システム導入後に充実したサポートを受けられるかどうかも重要なポイントとなります。問い合わせの回答に時間がかかりすぎた場合には、実際の運用に大きな障害となることもあります。サポートの体制やサポートが受けられる時間帯など、スピーディーかつ適切な対応がどの程度期待できるかなどの点は事前によく確認しておくことが大切です。

サービスによっては、有償のサポートを別途用意している場合もあります。その場合は、無償でサポートしてもらえる範囲と、有償で新たに受けられる内容と費用についても確認しておきましょう。

クラウド人評評価システム導入のメリット

では、クラウド人事評価システムの導入で得られるメリットを1つずつみていきましょう。

煩雑な人事担当者の人事評価業務の工数削減

最もよく挙げられるメリットは、人事担当者の作業量を大きく減らせることです。考課シートを正確かつ適切に運用しようとすると、膨大な工数が必要となります。公平性を期すために評価項目の細分化を進めれば、工数がさらに増えることが避けられません。
クラウド人事評価システムを導入すれば、シートの突き合わせや情報の照合、集計・分析などの作業が自動化され、担当者の作業負担を大幅に減らすことが可能です。

評価項目を明確に設定可能

クラウド人事評価システムを使うと、評価項目の設定を簡素化することができます。また、明確かつ詳細に設定した評価項目を評価者、評価対象者の両方が閲覧しやすくなるという点も見逃せません。細かく設定した評価項目を必要なタイミングで参照できることで、人事評価を客観的かつ公平に行うことがしやすくなり、評価対象者に評価基準を納得してもらいやすくなる効果も期待できます。

クラウド人評評価システム導入のデメリット

クラウド人事評価システムは、人事評価の手順を改善したい企業にとって有効なツールですが、導入することによるデメリットもないわけではありません。ここでは考えられるデメリットについて紹介します。

セキュリティリスク

ネットワーク経由で利用するクラウド型のシステムであるため、セキュリティ対策の大半は運営会社に任せることになりますが、運営会社のサーバーに不正侵入などがあった場合、社員の個人情報や評価に関する情報が漏えいする可能性があります。

サービスを選定する際には、十分なセキュリティ対策が行われているか入念にチェックするようにしましょう。また、導入に当たっては、システムのアクセス権限を社内でも慎重に管理して、関係者以外が重要な情報にアクセスできないようにしたり、万が一のためにシステムや社内ネットワークなどのアクセスログを記録し保管したりしておく必要があります。

導入時の既存システムとの連携作業

人事評価システムでは、蓄積されたデータが人事や給与に反映されることから、必然的に給与・経理システムと連携することになります。そのため新たにクラウド型人事評価システムを導入する場合、システム移行時や移行した後にデータの不整合が生じる確率が高くなります。移行作業では連携に関して十分に精査し、バックアップなどを取りながら慎重に作業をすすめることが必要です。

クラウド人事評価システムP-TH+で人事評価業務を効率化

「P-TH+(ピースプラス)」は、現在利用中の評価フロー、評価シートをそのままシステム化できるクラウド型の人事評価システムです。人事評価システムを活用するにはインターフェースの分かりやすさ、使いやすさが重要ですが、P-TH+は使い慣れたExcel評価シートをそのまま利用できるため、導入後のシステムの定着にコストと手間がほとんどかかりません。

システム化により手作業で行っていた集計業務を自動化し、人事評価担当者の作業量を大幅に削減するとともに業務を正確に進めやすくなる効果があります。

まとめ

人事評価システムは社員の人事評価をより効率的かつ精密に行うことを目的としています。このシステムを導入して人事担当者の作業負担を軽減し評価の精度を向上させることで、人事評価に対する社員の不満を軽減しモチベーションを高めるなどの効果が期待できます。人事評価業務の効率化と生産性向上のために導入を検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社サクセスボード 萱野 聡<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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