人事評価制度の必要性とは?改めて考えて作成・見直しの参考に

 2022.02.24  AJS株式会社

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響による労働環境の変化を受けて、人事評価制度の見直しを考えている企業も多いのではないでしょうか。新たな評価体制を構築する前に、そもそも人事評価制度はなぜ必要なのか、何を目的としたものなのか、といったことを改めて振り返る必要があります。本記事で人事評価制度の基礎知識から振り返っていきましょう。

人事評価制度とは

そもそも人事評価制度とは、各従業員をその職責に基づいて「業績」「能力」「勤務態度」などの観点から評価し、それらを該当の従業員の処遇や企業の組織構成に反映させる仕組みを意味します。例えば従業員の報酬や人事異動などを決める際、基本的にはこの人事評価が根拠資料となるでしょう。多くの企業では人事評価を年に1回から複数回、定期的に実施しています。

人事評価を行うに当たって、どのような項目を選択するか、どの項目を重視するか、といったことは個々の企業の理念や職種などにも左右されます。評価項目や測定方法などを定める際には、「実態を反映しているか」「不適切な偏りはないか」などの公正さや透明性に注意をはらい、それらが健全に維持される仕組みを考えることが重要です。

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人事評価制度の必要性

人事評価制度を適切に実施することで、企業はどのようなメリットを得られるのでしょうか。ここからは、人事評価制度の目的や必要性について解説していきます。

企業側が持つ考えの周知

人事評価制度の評価項目や測定方法は、各企業が独自に定めるものです。適切に設計された人事評価制度は、「どのような方針を持っているのか」「従業員にどのようなことを期待するのか」といったような、企業の基本的な考え方が反映されているものになるでしょう。つまり、人事評価制度そのものが、「自社が何を重視した会社で、どのような従業員や働き方を理想モデルとしているか」といったことを従業員に周知するツールとなるのです。

適切な評価の実施

評価基準を明確に定めていない場合、各従業員の評価は直属の上司の個人的な価値観などによって大きく左右されかねません。人事評価制度を整備することによって、客観性や一貫性を持った人事評価の実施が可能になります。組織に貢献した従業員を評価することで、社内に公平感が生まれ、後述する従業員のモチベーション向上や人事配置の参考にもポジティブな影響を与えるでしょう。

従業員のモチベーション向上

適切な人事評価制度の実施は従業員にとって、「このように働けば評価される」「評価されれば報酬のアップや昇進などの見返りを受けられる」というモチベーションの源になりえます。逆に人事評価制度の仕組みが整っていない場合、従業員は自分の地位や立場、報酬などの処遇について、「公平性や根拠が欠けているのでは」と疑いを持ってしまい、モチベーション低下へつながってしまいます。

したがって人事評価制度を整理することは、従業員のモチベーションを高く維持し、業務への高い集中力や積極的関与を促して、生産性向上へつながると期待できるのです。

従業員の育成

人事評価の内容を従業員に対して適切にフィードバックすることによって、従業員はどの点が組織に評価されていて、どこに今後の課題があるのかを知ることができ、成長の指針が得られます。

モチベーションの向上と同様、従業員の成長は企業にとってもメリットの大きなものです。そのため、従業員が納得できる人事評価制度は活気と成長性に溢れた組織作りに寄与すると言えるでしょう。

人材配置の参考

人事評価制度は、企業の経営層が適切な人材配置を行う際の参考資料として活かせるものです。人事評価資料を参照することによって、各従業員の能力や適性などの把握が可能になります。定期的な人事異動だけでなく、新しいプロジェクトを立ち上げる際にも人材の適材適所を行ないやすくなります。適切な人材配置がビジネスの成功に直結することはいうまでもないでしょう。

よい人事評価制度を作るには

ここまで見てきたように、公正で透明性のある人事評価制度の実施は、健全な組織運営のために欠かせないものです。では、よい人事評価制度を作成するためには、企業はどのような点に注意すればいいでしょうか。ここからは、よい人事評価制度を作る際のポイントを解説していきます。

評価基準を明確にする

それぞれの役割を担う従業員が、「何を達成することを期待されているのか・どのように業務を遂行するべきなのか」明確な評価基準を設定することが重要です。明確な基準がないと、評価する側の主観が入りやすくなり、評価の公正性が確保しづらくなってしまいます。

従業員が納得できる評価基準をつくる

評価基準は従業員が納得しやすいものでなくてはなりません。例えば、業務のパフォーマンスに関する基準は達成可能なものでなければならず、また各従業員の職務内容に直接関係するものでなければなりません。また、同じ業務に就く従業員を評価する際には、評価の公正性を保つために原則として同じ評価基準であるべきでしょう。

成果だけでなくプロセスも評価する

目に見える成果ばかりに偏った評価基準を設けてしまうと、従業員はその評価に直結する仕事ばかりに注力してしまい、地味だけれど重要なサポート業務などは軽視されがちになってしまいます。また、新規の仕事を行う際にはある程度の失敗や試行錯誤は不可避ですが、減点主義で評価してしまうと、失敗を恐れてチャレンジをしにくくなってしまうかもしれません。そのため、評価基準を設ける際には、それぞれの部署やプロジェクトなどに合わせて、成果だけでなくそのプロセスを評価する項目も入れた方がよいでしょう。

フィードバックもきちんとする

人事評価は、「やったらおしまい」ではなく、従業員に対して具体的な報酬や助言などの形でフィードバックしましょう。いくら口先で褒めても、それによるモチベーションの喚起は一時的なものです。長期的に従業員のエンゲージメントを高めるためには、昇進や報酬のアップなどの具体的な見返りが欠かせません。また、評価が振るわなかった従業員に対しては、個別に新たな目標や課題を提示することで今後の改善が期待できます。

人事評価システムの導入も効果的

人事評価制度の具体的な運用面に目を向けたとき、人事評価に役立つシステムを導入するのもおすすめです。例えば、評価表や一覧表の作成・管理などを手作業で行った場合、多くの手間がかかってしまい、肝心の人事評価自体をおろそかにしてしまいかねません。人事評価システムを導入して各工程を自動化することで、作業は効率化され、人事担当者はより重要なコア業務に専念できるようになるでしょう。

まとめ

人事評価制度を適切に行うことで、従業員の成果や能力、適性などが客観的に評価でき、企業と従業員両方の成長に役立ちます。人事評価システム「P-TH(ピース)」「P-TH+(ピースプラス)」は、人事評価制度に関わる煩雑な業務を効率化し、適切な管理運用をサポートするITソリューションです。人事評価体制の見直しを行う際には、あわせて導入を検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社サクセスボード 萱野 聡<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。 米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー。
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