人事評価で用いられる代表的な指標とは? 利用方法についても紹介

 2020.11.09  AJS株式会社

人事評価の制度や指標の設計はどのようにすればよいのでしょうか。企業においては評価の軸を明確にすることで、従業員に期待する理想の姿を発信・浸透させることもできます。本記事では、人事評価で活用すべき代表的な指標について、大きく3つの観点に分けて説明します。また活用方法も紹介します。

「業績」とは

人事評価を行うにあたり重要な指標のひとつが「業績」です。原則として、これは期間による区切りがついています。評価の対象は決まった期間における目的達成度で、「成績考課」とも呼ばれます。

また、数字的な結果のみが対象になるイメージが強いですが、全体の人事評価においては結果だけでなく、そのプロセスである活動内容も含まれます。実績に関しては基本的に数字で客観的に示せるため、評価自体は難しくありません。目標を達成するまでのプロセスをいかに客観的に見定めるかがポイントです。以下では、業績をさらに細分化した項目や注意点を解説します。

業績評価で利用される主な指標

主に「売上」や「新規獲得顧客数」、「営業利益」などが代表的です。もちろん、設定項目は職種などによっても変わり、そのなかでも重視される項目は変動します。また、同じ部署のなかでも、その方針によっても異なります。たとえば、その期間において「新規顧客の獲得」を重点的に取り組んでいたとしたら、売上総額よりも新規顧客獲得件数が優先されます。

業績評価の注意点

「結果」を評価するのが一般的です。逆にいえば、結果に至るプロセスは対象になりません。しかし、場合によっては担当エリアや顧客、経済状況などの外部要因に左右されることも考えられ、不公平が生じる恐れがあります。そのため、業績評価はひとつの軸として大切ですが、その他のファクターとして「能力」や「情意」による評価もうまく組み合わせた制度設計が求められます。この2つの要素も対象に組み込むと、結果に至るプロセスも判断しやすくなります。

「情意」とは

「情意」とは、仕事に対する取り組む心構えなどをいいます。企業によっては「動考課」や「執務態度考課」と呼ばれることもあります。分かりやすい数字で客観的に計測できるものではないため、他の項目と比較して最も主観が入りやすい部分ともいえます。

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情意評価で利用される主な指標

具体的な情意評価項目としては「勤怠状況」や「規律性」、「協調性」があります。

勤怠状況は、職務を遂行する上で基本となる部分で、主に遅刻や早退、欠勤などが著しく多くないかなどをチェックします。これは情意のなかでも客観的に測りやすい項目といえます。他にも労働時間、残業時間、健康状態、有給取得日数なども指標要素です。

規律性は、職場におけるモラルやルール、マナーをしっかりと守っているかどうか、です。職場によっては明文化されているものとそうでないものもあります。それらを含めて、社内の規律を守ることは大切です。また上司の場合は、マナーを遵守できていない部下を見過ごさず指導するような態度も評価の対象になるかもしれません。

仕事を遂行する上では、他メンバーとの協調性も欠かせません。ただ仲良くやるだけではありません。相手に理解しやすいように正確に伝えようとしているか、自発的に質問して相手を理解しようとしているか、チーム内や上下関係においても積極的な意見交換などで信頼関係を築こうとしているかなど、協調性が十分にあるかも指標となります。

このように、情意は業績とは直接関係ない項目ではありますが、逆にいくら業績が優秀でも情意部分のランクが低いと、社内あるいは社外での印象は良くないといえます。

情意評価の注意点

情意評価は、性質上どうしても主観が入りがちです。その点も踏まえ、注意点について解説します。

まずは、人間には「ハロー効果」があることを認識しましょう。ハロー効果とは、自分の知っている知識や情報に点数が左右される現象です。基本的に上司が部下をランク付けするケースがほとんどですが、人は良い面に影響されて他の項目も実際以上に高く点数をつけてしまいがちです。また、その逆もあります。自身が「ハロー効果」に陥っていないか常に確認しましょう。先入観をなくし、日ごろから客観的に対象者を観察することが大切です。

また、ありがちな傾向として、「寛大化傾向」があります。これは、被評価者のモチベーションを向上させようとして、評価が全体的に甘くなってしまうことです。これは個人に対してだけでなく、チームに対しても働きます。そうならないように、他評価者による複数人でのダブルチェックや、数値に基づいた点数付けを心がけるようにしましょう。

また、日本人に多い傾向ですが、あまり極端な評価をつけたくないという心理から、結果とは無関係に平均に寄ってしまう傾向もあります。これを「中心化傾向」といいます。優秀な人材には過小評価、もっと改善が必要なメンバーには過大評価となってしまいます。標準的な点数ばかりつけている場合は、「中心化傾向」を疑ってみなくてはいけません。

「能力」とは

業績のみによらない、プロセスをランク付けするのに重要な軸のもうひとつが「能力」です。これは基本的に職務の遂行を通して習得したもので、難易度が高い仕事の達成度や、緊急時の対応なども判断基準になります。情意と異なり、能力は職務要件によって大きく異なります。

能力評価で利用される主な指標

業種や職種、役職などによって点数を付けるべき能力は異なりますが、目安としては以下のような項目が含まれた指標にすると良いでしょう。

  • 企画:単なる企画や計画だけでなく、その実行(実施・評価・検証等)までを含めます。
  • 改善力:現時点での問題を発見し、それに対してどう対処するのか、その解決能力です。
  • 対人能力:プレゼン力や聴く力など、円滑な人間関係を保つ上で大切な項目です。
  • 判断力:事実を正確に把握し、分析して判断する力は、特に緊急時などにも求められます。
  • 指導力:部下の能力を引き出す力や、公正な指導力、チームの課題解決能力などです。
  • 折衝力:他部門の巻き込みや対顧客の交渉が多い場合、必要不可欠です。
  • 理解力:置かれている状況を素早く理解したり、上司からの指示などを的確に理解したりする能力です。
  • 知識:業務に必要な専門知識や技術的な知識の度合いです。

能力評価の注意点

能力評価は、情意評価よりは設定しやすい項目といえます。業種や役職によっては、「資格」のように客観的で分かりやすいものもあります。注意すべき点は、業務に重要な能力の定義が難しく、仮に従業員が何らかの能力を努力して獲得しても、それが業務に活用できるとは限らないことです。

指標を明確にする上で、誰もが納得できるような設計にすることが求められます。また、能力が低下した場合の判断そのものが難しく、どのような水準を設けるかを予め明確にしておくことも大切です。

まとめ

人事評価は、従業員を評価したり、待遇を決めたりする目的だけでなく、企業の持続的な成長を支えるエンジンでもあります。特にどのような観点で評価すべきかを設計するのが難しい部分です。
まずは本記事で解説したように「業績」・「情意」・「能力」の3つの軸を中心に分解していく方法がわかりやすいかもしれません。それぞれの項目や運用する際の注意点も踏まえ、自社に活かせる点があれば取り入れてみましょう。

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