人事評価の規定やガイドライン整備のポイントを解説

 2020.10.05  AJS株式会社

人事を担当している人で、企業の理念に即してより効果的な制度・システムを検討している人も多いでしょう。その際、評価の規定や運用のガイドラインをどう整備すべきかが難しいポイントです。どのような観点に注意して制度を設計し、実際の現場での運用に落とし込むべきか、などのポイントについてご紹介します。

人事評価制度導入に向けて押さえるべきポイント

人事評価制度は、単に導入すればよいのではなく、その目的などを言語化し、共有していくことが大切です。まずは導入の際に注意すべきポイントを解説します。

企業の目指す方向性の明確化

人事評価を実施するには、どのような基準で評価を行うかを考えます。そのためには、企業として目指す方向性、つまり理念やビジョンが明確に言語化できていないと的はずれな評価項目を設定してしまいがちです。さらに、関連した制度の策定においてもやはり企業が向かう目標や社員に求める理想像を明示するのがポイントです。

もし企業としての理念やビジョンを明示しても、それが社員の目指す方向性とベクトルがずれていては企業のビジョンの実現は難しいでしょう。企業やその従業員の目指す方向性が同じベクトルを向いていることが大切で、その上で必要かつ適切な人事評価制度を策定していくのが成功するポイントです。

人材の配置・待遇を固める

人事評価制度では、単に従業員の評価を行うだけでなく、それを材料として人材の配置や待遇を決めるのが効果的です。特に近年はテクノロジーの発展やグローバル化などで競争の激しい環境にあり、年功序列型の賃金体系や終身雇用制度には限界が出はじめています。人事評価制度による評価と賃金などの待遇を連動させることで、従業員の売上などへの貢献度や能力が反映され、モチベーションの向上にもつながります。また、評価に応じて配置や役職を与えることで、企業全体としても人材を最大限に活用できます。

人材育成の促進

人材育成の促進を念頭に置き、人事評価制度を設計することも重要です。すでに触れたように、評価項目を明示することで、社員に対して期待する理想像も示すことになります。評価されるポイントが事前に分かっているため、それに沿って日々の業務やスキルアップに取り組みます。また、企業や個人として設定した目標がどのように評価や昇給・昇進などにつながっているかが明確であれば、目標の達成に向けて主体的に取り組むでしょう。このように、人事評価制度は人材育成を促す役割も持っています。

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「人事評価制度見直し」決断する前にやること

実際に評価規定を策定する上で重視すべきこと

より具体的に人事評価制度の評価規定を策定する上で外せないポイントを解説します。

明確であること

まず、評価の対象となる項目や基準、さらには評価の方法や時期が明確に定まっており、かつ社員全員に共有されていることが大切です。特に、項目や評価レベルの基準が曖昧だと評価に対して納得感が薄れ、フィードバックとしての効果も発揮できません。どの社員が見ても、不明瞭な点がない規定に仕上げる必要があります。

具体性があること

実際に評価を行うことを想定した際に、具体性のあるフィードバックとなるように評価規定を設計しておくとよいでしょう。社員にとって、評価やその根拠に具体性が欠ける場合、今後の行動にもつなげづらく、最悪の場合社員からの信頼感も薄れてしまいます。具体的に評価でき、かつその根拠も事実ベースで明示できるような評価規定を考えることがポイントです。

絶対評価であること

絶対評価か相対評価ではそれぞれメリット・デメリットもありますが、被評価者の立場で考えたときに納得性が高いのはやはり絶対評価です。近年は絶対評価で人事評価を実施する企業も増えています。なんといっても、評価基準を明確にしやすく、フェアに感じられるのがメリットです。評価水準が他の社員に左右されないため、評価を受け入れやすくなります。そのため、今後にどう活かすかを社員が主体的に考え行動に移し、企業全体のモチベーション向上にもつながっています。相対評価と比較すると適正な評価基準を定める手間は増えますが、社員全体を考えると絶対評価であることが重要です。

プロセスを重視していること

評価において、その社員が残した「成果」も重要ですが、それと同じくらいプロセスも重要です。成果の方が数値化でき分かりやすいですが、プロセスも加味した評価規定にするとよいでしょう。目的達成に向けたさまざまなアクションや思考も評価されれば、社員は主体的に行動できモチベーションも上がります。

プロセスの評価方法については、優秀な社員などを分析して企業の業績向上や業務効率向上につながるプロセスを策定し、それをもとに数値化して評価基準とします。代表的なものとして業務上重要な能力や行動パターンについて項目を定め、プロセスとして評価する「コンピテンシー評価」があります。この場合、成果を出している社員の成功要因の分析がポイントになります。

運用時のガイドラインの注意点

最後に、人事評価制度を導入後、運用していく際の注意点について解説します。

実業務との整合性があること

まずは現場の業務に即した制度内容であることが大切です。実態とかけ離れた人事評価制度では、うまく機能しない可能性が高くなります。現場の業務を把握した上で制度に反映しましょう。

部門間でのルールが公平であること

人事評価制度は全社に適用されるものですが、部門間で不公平なルールになると評価制度に対する信頼が揺らぎ、モチベーションに影響します。当然、業務の違いなどで評価するポイントなどは異なりますが、公平性を維持した制度策定を目指しましょう。そのために、部門間の代表者などで認識合わせを行うのも有効です。このすり合わせを行うことで、業務の棚卸しにもつながります。

時代に最適なルールであること

制度は一度作成して終わりではなく、時代や環境の変化に即して適正化していくべきものです。当たり前に存在するルールに対しても本当に適切かどうか一度疑って考えてみるのもよいでしょう。特に、最近はフレックスタイム制やテレワーク導入など働き方が急激に変化しています。これらの変化も踏まえ、その場で最適なルールになるよう臨機応変に考えていくことがポイントです。

まとめ

人事評価制度は、評価だけでなく企業の成長の土台にもなりうる重要な要素です。全社員に企業の目指す姿やあるべき社員像を浸透させ、社員の生産性やモチベーションを向上することも可能です。現状の制度そのものや運用が目的に沿ったものになっているか点検してみてはいかがでしょうか。

人事評価フローの改善に役立つチェックシート

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