人事評価制度によく見られる問題点とその対策方法とは

 2018.11.05  AJS株式会社

人事評価制度によく見られる問題点とその対策方法とは  

時代によって社会が変化していくように、企業のあり方や人の働き方も変化しています。

人事評価制度も同様で、戦後の高度成長期、バブル経済期とバブル崩壊後、そして現在では、社員を評価する方法が大きく異なっています。

そこで今回は、日本における評価の変遷に触れた上で、人事評価によく見られる問題点と対策についてご紹介します。

日本の人事評価制度の変遷

1950年代に年功制による評価の原型

高度経済成長期、急成長に伴い労働力確保が大きな課題となった企業は、終身雇用制度を導入しました。 この流れにマッチする『年功制』が、日本における人事評価の始まりだと考えられます。

在籍年数とともに昇給・昇格していく年功制は、急激に増える社員を管理する上で都合が良く、企業自体が成長を続けていたので膨れ上がる人件費も問題視されませんでした。

1970年代の「職能資格制度」

高度経済成長期が落ち着きを見せると、先進的な企業を中心に、職能資格制度が導入されます。

社員の業務遂行能力を等級などで格付けし、キャリアアップを目指すことで成長を狙うシステムは能力主義につながるはずでしたが、評価の難しさから、結局は『経験年数=能力』という判断基準を持った年功制が維持されました。

1990年代のバブル経済崩壊後「成果主義」「目標管理制度」

バブル経済の崩壊により、年功制の賃金体系を維持できなくなった日本企業は、『成果主義』を軸とした『目標管理制度』の導入を急ぎました。

しかし、個人プレーに走りやすい成果主義は、協調性を重視する傾向の強い日本で上手く機能させることは難しく、勤務態度や業務遂行能力など、日本独自の基準を加えた形で運用する結果となりました。

2000年代 コンピテンシー評価

2000年代になると、高業績者の思考・行動パターンを分析し、評価基準に取り入れる『コンピテンシー評価』が注目されました。

コンピテンシーの抽出には時間と手間がかかりますが、人材配置や採用にも活用できるため、現在も多くの企業が導入を進めています。

『月刊人事マネジメント』事例掲載
「人事評価制度見直し」決断する前にやること

2010年代 ノーレイティングなど評価制度の見直しが始まる

経済事情の変化に伴い、評価手法もますます変化していきます。

労働人口の減少が加速する中、年に数回のまとまった評価手法では、優秀な人材を惹きつけておくことができない、変容する社会のスピードに対応できないといった理由から、年度末や評価期末ごとのランク付けを廃止し、リアルタイムに評価を実施するノーレイティングを導入する企業が現れました。

社員の成長実感や納得感につながり、生産性の向上も期待できますが、管理職の負担増、評価権限移譲の取り組み、人事部門のサポート力の向上など、課題も多いため、どのような広がりを見せるか、人事担当者は注目すべきでしょう。

人事評価制度によく見られる問題点

次に、日本における人事評価制度の問題点を見ていきます。

人事評価制度が存在しない企業がある

多くの中小企業では、人事評価制度がないという問題を抱えています。 特に、オーナー系の企業では、人事評価は社長の専権事項としてその権限を手放さないことが多く、社員数が増えても評価制度を導入することなく、社長が昇給・昇格を決めているという企業がまだまだあります。

評価の仕方や基準がばらばら

人事評価制度はあっても、その内容や運用方法に問題があるというケースも見られます。

曖昧な要素が多く、評価基準が明確でない人事評価制度では、評価者の好みなどが入り込み平等な評価実施に支障をきたすことがあります。また、評価者教育をせずに運用する人事評価制度も、評価者レベルの統一や目線合わせができないことで、評価に不平等が生じ、社員(被評価者)の不満を増大させる結果となります。

人的リソースも時間もなく、運用できていない

時間がなく、人事評価に手が回らないという問題もありがちです。

中小企業は少人数で管理業務を担うことが多いため、目の前の業務に追われ、人事評価に集中する時間がなく、気付けば人事評価制度が形骸化しているケースも目立ちます。

人事評価制度によく見られる問題点

人事評価制度の問題を解決するための有効な対策とは

人事評価制度は、時代やその時々の経済事情とともに変わっていくものなので、専門的な知識がなければ、自社に適した人事評価制度の選定は難しいものです。

特に、人事評価制度があっても運用に問題がある場合は、自社での問題解決は悩みどころでしょう。

人事評価制度に多く見られる問題を解消し、新たな人事評価制度の導入や、制度を正常に機能させるには、どのような対策が考えられるでしょうか。

人事評価制度の専任者を雇う

まず、『専任者の雇用』という解決方法があります。

知識・経験の豊かな専任者を雇用すれば、社内に人事評価制度の構築・運用のノウハウを蓄積することができますし、新たな人材を雇用するため、既存社員の負担は増えません。

ただし、人事評価は育成や強固な組織作りを主な目的とする戦略的業務ですから、その専任者を雇用するためには、時間もコストもかかることを覚悟して臨まなくてならないでしょう。

コンサルティング会社にアウトソースする

専門のコンサルティング会社に、構築や軌道に乗るまでの運用を任せる方法もあります。

人事評価に特化したコンサルティング会社であれば、豊富な知識・経験と組織力によって、スピーディーな制度構築が期待できます。

ただし、専任者を雇用する以上に、費用がかかる可能性もあります。

特に、制度構築と軌道に乗るまでの運用サポートが別契約というケースもありますので、アウトソースする契約の内容を細かく確認しなければいけません。

人事評価システムを導入する

少子化が進み、人材マーケットからの人材補強は、今後年を追うごとに難しくなっていきます。今、戦力として働いている社員の方々には「公平・公正な人事評価制度が運営されている」と考えていただくことが重要です。そのような意味で、人事評価制度の改善は人手不足時代のリテンション対策の一つになります。

<< コラム監修 >>
株式会社サクセスボード 萱野 聡
日本通運株式会社、SAPジャパンで採用・教育を中心とした人事業務全般に幅広く従事。人事コンサルタントとして独立後、採用コンサルタント、研修講師、キャリア・アドバイザーとして活躍中。米国CCE Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー、産業カウンセラー
「人事評価制度見直し」決断する前にやること

『月刊人事マネジメント』事例掲載
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